※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
羅臼~知床岬スキー縦走
2016年4月1日

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■コース日程: 2016/4/1~5


知床は海から山まで切れ目なくつながる手付かずの自然に恵まれ、荒々しさと優しさを併せ持った変化に富んだ地形があり、あらゆる場所で生き物の気配が濃い、大好きなアウトドアフィールドだ。
2012年には徒歩(コースタリング)で宇登呂側から1周、2013年には、シーカヤックで1周、2015年と16年には氷瀑の探索とアイスクライミングで訪れている。ただ、これまではずっと海の近くで主稜線をたどったことがなかった。
どうせならば、雪のある時期にスキーで行きたい。岬の先端までワンウェイでたどって、帰りは船で帰ってこよう。
このプランを実行しようとすると、2月から、3月いっぱいくらいまでは、流氷に閉じ込められるリスクが高く、4月の中旬以降は雪解けが急速に進んで、後半が壮絶な薮漕ぎになる可能性が高い。
したがって適期は4月の頭。
距離は45km程度。室堂から新穂高に抜けるオートルートと同じくらいのスケールだ。
4日の休みを取り、4日+予備日1日の5日間のプランでトライすることにした。

■コース日程:
4/1:熊の湯(14:00)-登山川源頭「泊場」付近(18:00)
4/2:「泊場」付近(7:10)-サシルイ岳手前鞍部(11:00)-東岳山頂(14:45)-ルシャ山(16:20)-ルシャ川源頭(17:50)
4/3:ルシャ川源頭(7:20)-650m小尾根上(11:00)
4/4:650m小尾根上(7:00)-知床岳(14:00)-知床沼(16:00)-ポロモイ岳(17:50)-ポロモイ岳先の鞍部(18:15)
4/5:ポロモイ岳先の鞍部(5:45)-ウィーヌプリ(7:45)-文吉湾(10:00)-知床岬(10:50)-赤岩(12:10)

■レポート:相川 写真:相川、川口



今回のルート概要(クリックで拡大します)
飛行機で女満別空港に到着、その足で羅臼に向かう。
ボートのピックアップをお願いしている野田ボートさんと事前打ち合わせ。そしてショックな事実を告げられた。ピックアップ予定の4月5日には、現状の海況だと船を出せそうにない、と。
知床岬に達するためには、予備日なしでの4日でたどり着かなくてはならなくなった。悩んだが、岬の先までが無理ならば、5日相泊に自力下山するエスケーププランに切り替えることにし、行けるだけ行ってみることにした。
この日は14:00入山。始め熊の湯からの夏道から入山。夏道は積雪期向きではないので、途中から登山川沿いに進むがゴルジュ状の個所が雪割れしていて、結構手間取る。
地図上の、「泊まり場」という箇所にテント泊。その名の通り、快適な場所。
翌4月2日。知床連山の主要な山をまとめて越える最大の長丁場だ。朝イチはガスの中主稜線に向かってまず標高差500mの登り。
やがて雲海を抜け出し、快晴の中、羅臼平に向かって登る。雪もそこまで堅くなかったので三ツ峰をトラバースして、一気にサシルイ岳手前の鞍部を目指すことにした。
サシルイ岳手前の鞍部。バックに三ツ峰。
雲海をバックに、サシルイ岳への登り。雪も緩んで、快適な登りだ。
サシルイ岳トップから、本ツアー最初の滑走を楽しむ。ややモナカ雪で難しい。
広大な斜面を独占だ。
引き続き、オッカバケ岳に登り返す。
オッカバケ岳からは、南岳南西側の沢のボトム目指して滑り込み、ピークをいくつかパス。標高1400mくらいの山とは思えない、スケールある風景だ。
そこから東岳に向かっては、なだらかで複雑な地形が続く。視界が悪いとかなり難しいナビゲーションになりそうだ。
午後も遅くなると、斜面がかなり固くなってきた。東岳への登りではアイゼンを装着した。
最高の景色だ。
「ここで夕陽を見たいねえ~」
「いやいや、ここで夜を迎えたら死ぬって」
東岳北東の1502mピークより標高差1300mのダウンヒル!
であったが、斜面はすでにカリカリ。修行の滑りとなる。
ルシャ山を越えると、ようやく雪は少し緩んで滑りやすくなる。
複雑なナビをこなしてルシャ川源頭へ。
懸念していたルシャ川の渡渉も、飛び石で楽に渡れる程度だった。水の取れるテン場で快適なキャンプを楽しんだ。
4月3日。荒天予報の日だったが、4日間で行程を終えるにはこの日も行動せざるを得ない。しかし、尾根に上がってみると引きずり倒されそうな強風。標高400m付近でこれではとても知床岳を越えることは無理と悟る。
岬の先端まで行けなくても、せめて知床岳は踏んで帰ろう。そう目標を切り替え、この日はある程度高度を上げておくことにした。
雨も降りだし、ずぶぬれに。烈風でテントを張れる状況でなく、吹きだまりを見つけて雪洞泊。でも、この日少しでも高度を上げたことは今回の成功につながった。
4月4日。雪洞から這い出してみると天候はすっかり回復していた。
稜線に上がって、野田ボートさんに連絡を取り、本日中に岬への到達は不可能なことを伝えようとしたところ、朗報が。
海況が変わり、5日の昼ぐらいまでは、何とか船を出せそうだと。
よし、いける。
この日は、とにかく少しでも先に進むことにしよう。
雪不足の今年、事前情報で藪こぎになるのでは、と予想されていた知床岳への急登。
確かに随所にハイ松は出ているが、何とか雪をつなげていけそうだ。
北方領土の国後島が、琵琶湖の対岸の伊吹山くらいの距離感で見える。
ハイ松の急登を登る。途中からシールは厳しく、アイゼンに変えたが、なんとか藪こぎなしに抜けることができた。
その上は一気になだらかになり、高山帯の風景。
秘境のピーク、知床岳に登頂し、知床岳からの広い稜線を進む
知床岳からの滑りは、カリカリを越えてカチンカチン。前日の雨のせいか。
斜度が緩くて助かった。
知床沼に向かい、ナイフリッジを慎重に通過
突然現れる山中の広大な平地、知床沼。
地図で見て、気になっていた場所。予想通り、素晴らしいところだった。
日没いっぱいまで行動して、ポロモイ岳を越えるところまで進むことができた。
国後島にある、北方領土最大の町ユジノクリリスクの明かりが見えた。
テントを稜線上に張らざるを得なく、夜半過ぎから非常に風が強くなり、耐風試験のような状態。厳しいテント泊になった。
4月5日。この日の午前中には岬につきたい。
でも、テン場目の前のピークは既にハイ松だらけ。藪とカリカリ斜面でなかなかはかどらない。
しかし、そのピークを越えて760mピークからのダウンヒルは雪がだいぶ緩む。海をバックに滑る。
ナイスザラメで超快適。
最後の顕著なピーク、ウィーヌプリへ。
ウィーヌプリから先、アップダウンが多く、雪が繋がっていないことを確認していた。どうせなら、スキーを楽しめるルートを選ぶことにして、北西に向かって沢に滑り込むことにした。どこまで滑れるかが懸念だったが、思いのほか快適な滑りが続く。
標高200m付近まで下げ、わずかな雪をつなぎながら岬方向に向かってトラバース気味に滑って行く。ほぼ、最後までスキーを履いて行くことができ、スキーを脱いだのは文吉湾の目の前だった。
岬先端部の草原地帯をゆく。
11:00知床岬到着!一度はあきらめかけただけに感無量だった。
ボートピックアップ地点の赤岩へ。ぎりぎりまで海況を見極めつつ、野田さんが待機していてくれた。




■■■ 使用したウエア&ギア ■■■


L1: アクティブスキンロングスリーブ
L2: メリノスピンサーモフーディ
L3: 開発中L3
L4: ニュウモラップフーディ
L5: エバーブレスアクロジャケッ

アクティブスキンタイツ
メリノスピンサーモタイツ
エバーブレスアクロパンツ

ポリゴン2ULパンツ
ポリゴン4ジャケット

メリノスピンソックスグライド
カミナドーム2
ポリゴンネスト6×4
エバーブレススリーピングバッグカバー