※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
瀬戸内香川仁尾(蔦島・丸山島)SUPツーリング
2015年3月28日

穏やかな海と綺麗な白砂のビーチ。手の届きそうな距離にいくつかの無人島が浮かぶ。そんなパドルスポーツの理想郷のような香川県仁尾海岸。瀬戸内のやさしく、それでいてワイルドな海をSUPで漕ぎまわった。(レポート・写真:三宅)
香川県三豊市の仁尾は、高松市や瀬戸大橋やよりもさらに西に位置する。四国の真ん中、北岸にお椀状に大きく開けた燧灘。仁尾はその燧灘に南西に向かって位置している。そのため、瀬戸内の奥の海面へ沈む夕陽を鑑賞できる希少なスポットとなっており、日本の夕陽100選にも選ばれている。
仁尾港から800mほどの手の届きそうなところには、大蔦島、小蔦島が浮かび、さらに少し北にいけば浦島太郎伝説で知られる丸山島がある。
ここをフィールドに、シーカヤック、SUPを中心にしたツアーを提供する「Free Cloud」がある。
その小前氏のガイドで、豊かな自然と文化を余すところなく満喫した。
「Free Cloud」のある家の浦のビーチから出艇し、北上して丸山島を目指す。
度重なる噴火による溶岩の重なりで創られた柱状節理が織りなす多彩な表情。
海上洞窟や入り江の奥にそびえる垂直に切り立った高い崖。
島の北側は、打って変わって水草が繁茂する穏やかな浅瀬が広がる。
魚にとっては恰好の産卵場所になっていて、さらにそれを狙う大物もたくさん泳ぐ豊かな海だ。

浦島太郎伝説で知られるこの島。周囲にはそれにちなんだ地名「紫雲」「仁老浜」など多く残り、ちゃんと竜王宮もある。
上陸し浦島神社前のビーチで遊ぶ。お世辞にもパッとしない見た目のビーチにすごい秘密が隠されていた。
粒の揃った非常に細かい砂、表面は塩分で固められているものの、柔らかく堆積し中はふわふわになっている。
飛び降りると、雪のように足がスネまで入ってしまう。
サラサラの砂を踏む感覚が心地よく、いつまでいても飽きない。
再び漕ぎ出して、丸山島から2kmほど南へ下った蔦島を目指す。
蔦島は、仁尾港から1kmも満たない沖合に、大蔦島、小蔦島と大小2つの無人島が連なる。
仁尾港からフェリーで僅か7分ほどの航海で、海水浴や観光客を大蔦島まで運ぶが、この時はまだ運休しており完全な無人島である。まさに「けっこう近くに無人島」というキャッチコピー通り。しかし、手軽さとは裏腹に、ジオサイトに恥じないワイルドさを秘めていた。
丸山島から直接大蔦島に向かうと、島の北側に平石というタタミ6畳ほどの広い平面を備えた大きな岩が現れる。
その昔、殿様が宴を開いたという由緒ある名跡であるが、ここに直接アクセスできるのもSUPやカヤックならでは。ちょっと上陸してみて写真撮影。
平石を出て、先ずは仁尾港に面した北東側ではなく、燧灘に面した島の西側を回ることにする。
変化に富んだロックガーデンや高く険しい崖、満潮時には消えてしまうような小さなビーチが点在。漕ぎ進む手を全く飽きさせない。
大蔦島から、狭いチャンネルを越えて小蔦島へ渡る。
このあたりは、風と多少のうねりが伴うあるが、それでも他のエリアと比べれば至極穏やかである。
小蔦島の南岸を回りこむと、仁尾港の全容が視界に入ってくる。
小蔦島の西岸を北上し、再び大蔦島へ。
大蔦島に気持ちよさそうな白砂のビーチが現れたので、上陸して休憩。
ここが蟹が浦である。
歩いて北隣の宮が浦へ。賀茂神社の大鳥居が目印の広いビーチである。
ここは防波堤に囲まれ、フェリーの発着の船着き場や、管理棟、海の家、民宿があった建物など、海水浴場として整備されている。しかし、ひと冬を無人で過ごしたビーチは、人の痕跡を薄めており、足跡のついていない無垢な浜辺を楽しむことができる。
大蔦島の宮が浦から真北の方向に防波堤の切れ目があり、スタート地点の家の浦のビーチが一直線上に視界に入る。
広がった海面を1.5kmも漕ぐと家の浦に帰ることができる。
夕刻前に帰着し、ベースでしばらく過ごした後、夕暮れ時を狙って再び漕ぎ出す。
丸山島方向に出て行くが、ビーチから300mも沖に出ればそれで十分。
あとは日没まで水に浮かんだまま、茜に染まっていく空と海を見つめるのみ。
贅沢な時間がゆっくりと流れる。

夕陽の残影とマジックアワーを楽しむのをほどほどに、暗くなる前にビーチに戻り、その日の片づけを終えた。
当日は、日中の気温が20度近くまで上がり、動いていると汗をかいてしまうほど。しかし、水はまだ冷たく、SUPツーリングあるいはシーカヤックであっても、万が一の落水に備える必要がある。そんなときのチョイスは、耐久撥水かつ適度な通気性を備えたとフラッドラッシュ。これも耐久撥水のクロノショートパンツと組み合わせれば、行動中暑くなり過ぎず、濡れからはすぐに回復し、体温低下を防ぐことができる。強い日差しに対応するためレイルオンハットを着用。そして気温の下がった夕刻にはライフジャケットの下に、柔らかくストレッチのあるニュウモラップを羽織って、風をブロックして保温性を高めつつ、高い透湿性で蒸れを軽減した。

【当日のデータ】
プットイン・テイクアウト:仁尾町家の浦「Free Cloud」
http://free-cloud.jp/
距離:10.5km
ボート:インフレータブルSUP
海況:フラット・微風
時間:5.5時間