※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
日高川桧皮の滝・甲斐ノ川セクションリバーSUP
2015年3月22日

夏のような大雨がもたらした増水は、週末にかけて豊富な水量を残し、まさに下り頃になった日高川。ホワイトウォーターカヤッカーが特に好む、椿山ダム上流の桧皮の滝セクションで、2011年11月以来のSUP第二下降、さらに甲斐ノ川セクションを下って、贅沢な2本立てダウンリバーを楽しんだ。
(レポート:三宅 写真:三宅、赤澤)
南紀日高川は、和歌山県最高峰の護摩壇山を源流に、龍神温泉を経て険しい山間部を大きく蛇行しながら、和歌山県御坊市の日高港で太平洋に注ぐ、日本一長い二級河川である。
桧皮の滝セクションは、日高川の中でもとりわけホワイトウォーターのグレードの高い区間。コース核心部は、狭いゴルジュに、大きなホールやウェーブ、落差のあるドロップが連続する。その500mほどの区間に密度の高いクラス3+が存在する。それに至るまでの前半は、比較的イージーなクラス3。そして、核心部を過ぎてゴールまでは穏やかなクラス2となる7km強のセクション。カヤックでも中級以上の領域だが、カヤッカー3名のサポートもあってチャレンジする運びとなった。
柳瀬取水堰の下流からプットイン。水はかなり黄土色交じりの薄緑で、本流に出るやその力強く早い水の圧力に押され、みるみる下流へ運ばれる。
前半は、間隔をあけて控えめなクラス2-3の瀬が現れ、核心部に近づくにつれ次第に強度を増す。こまめにエディキャッチしたり、小さなサーフウェーブに入って、流れに感覚を慣らしていく。
流れに巨岩が入り、先が見通せなくなってくると、核心部に入った証である。両岸切り立った崖に挟まれた狭いゴルジュ地帯に、落差のある500mほどの瀬が続く。
入口のドロップを過ぎると、僅かにフラットな水面があって、ここで一旦息を整える。そのすぐ下流に3つの大きなドロップが連なる。下見無しでルートがよくわからぬままに突入。目の前で待ち構えるホールの迫力と、よくわからない先の状況に、堪らずニーリングを用いて、なんとか核心部を落水なく突破する。道具の進化と技術の進歩で、いよいよこの領域も攻略可能といえる次元になったようだ
緊張の核心部を過ぎると大きなサーフウェーブがある。そこで何度かエントリーを繰り返しつつリバーサーフィン。
そこからゴルジュ地帯を抜け、渓相が幾分開けると、クラス2程度の瀬とムービングウォーターが、ゴールまで優しく運んでくれる。のんびりした流れに少し飽きた頃にゴール地点に到着する。
桧皮の滝のテイクアウトで、ボードを再び車に積み込んで3kmほど下流に移動すると、すぐに甲斐ノ川セクションに到着。
このコースは、増水時に出現するビッグウェーブで有名であったが、残念ながら数年前に消失。それから訪れるカヤッカーもほとんどいない。しかし、桧皮の滝が下れるところまで増水すると、瀬の落差が比較的少ないクラス3になって、僅か3km強の短いコースながら、中級レベルのホワイトウォーターSUPに非常に適したコンディションとなる。
今度は全員がSUPに乗り換えてスタート。プットイン地点の鍋阪取水堰の直下からすぐに瀬が始まる。その下段は、両岸の岩盤によって狭められた流れが落差を滑り降りて、連続する高い三角波を形成する大きな瀬である。
そこからゴルジュ地帯に入り、ひとつふたつルートが狭い瀬を過ぎ、大きな瀞場を越えたその先に幅の広いドロップが現れる。岩盤がところどころ露出して浅い箇所が多いので、必ずスカウティングしてルートを見極める必要がある。今回は流れのまんなかに深さのあるルートを見つけてそこに突入。バックウォッシュの大きなホールではニーリングしてしまったが、難なくクリアした。
以前の甲斐ノ川ウェーブの場所には、水底に土砂が溜まってしまったようで、かすかに名残を留める瀬があるのみ。

そこからゴールまでは、とりたてて注意するほどの瀬はなく、瀞場も速く流れていて気持ちよく延々と進む。
甲斐発電所の放水口手前がゴール。この下流は心地よい瀬が続くツーリングコースなのだが、この日は椿山ダムのバックウォーターに満たされ、ほとんどの瀬が消失していた。
近接する桧皮の滝、甲斐ノ川の両セクションは、流れは尾根伝いをグネグネと蛇行して距離を稼ぐが、車では、尾根を貫いたトンネル一本の1kmにも満たない距離で回送できる非常に利便性の高いコースである。大阪・和歌山市方面からのアクセスである有田ICからの国道も大幅に改善され、思いのほか短い時間で到着できるようになった。
今回のウエアリングは、SUP用の防水透湿シェルのドライスーツに、アクティブスキンとフラッドラッシュのレイヤリング。気温は高めでもまだまだ水の冷たい時期に快適な組み合わせである。足元は、フラッドラッシュスキンメッシュソックスにメリノスピンアルパインソックスを重ね、それをドライスーツのソックスに入れ、さらにその上からネオプレンソックスを履いてラバーソールの沢靴で固めて、水の冷たさと荒れた足場に耐える工夫を行った。
[当日のデータ]
水量:椿山ダム流入55t、龍神0.72m

桧皮の滝:
プットイン:六地蔵トンネル脇(上流側)
テイクアウト:龍神柳瀬保育園
距離:約7.7km
ボート:インフレータブルSUP
グレード:3.5級
時間:1.5時間

甲斐ノ川:
プットイン:龍神村鍋坂ダム下
テイクアウト:甲斐ノ川保
距離:約3.2km
ボート:インフレータブルSUP
グレード:3級
時間:1時間