※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
四国吉野川SUPトリップ前編(池田~半田ツーリング・大歩危ホワイトウォーター)
2014年12月27日

国道を麻痺させ、孤立集落が出たほどの大雪のあとで、山にはまだ白く雪が厚く積もる四国吉野川。真冬でも豊富な水量と新たな仲間との出会い。そして予定外の大歩危・小歩危チャレンジで2014年を締めくくる思い出深いトリップとなった。
今回はその前編、のんびりツーリングと「大歩危」でのホワイトウォーター。
(レポート:三宅 写真:三宅、矢野(サファリ)、西原(そらみる))
Day 1. 吉野川(池田~半田)SUPツーリング 2014.12.27

四国のへそ湖とも呼ばれる池田ダムから下流をSUPツーリング。冬の低水位ではあるが、アユなどの漁期にあたらない時期だからこそ味わえる最高の自由を満喫。
野球で有名な池田高校がある阿波池田。この町は往時、特産の煙草の吉野川水運の港町でもあった。今回はその港の跡からプットイン。メンバーは地元大歩危小歩危のラフトカンパニー「サファリ」矢野氏と、池田高校野球部出身で徳島でSUP・ウインドサーフィンスクール「ファンライド」南里氏という異色の3人組である。
スタートしてすぐの三好病院前は、本流で工事が行われており、左側の傍流を進む。すると、いきなり落差のあるクラス2オーバーの瀬が現れる。
その後もコース前半には、ツーリングというにはややきつめのクラス2の瀬が散在する。冬場としてはやや多めの水量だったので、瀞場も少しは流れており進行を助けてくれた。
吉野川ハイウェイオアシスの手前に、難度が高く長い瀬がある。後半に左岸から水面に張り出した倒木の茂み。これに引っかからないよう、ルートをキープするにはしっかりしたコントロールが必要。そのすぐあとに流れが岩壁に当たり右に急激に曲げられる。この瀬がこの日一番の危険箇所である。
ハイウェイオアシスの前に出ると、景勝地「美濃田の淵」。瀞場に奇岩絶景が展開する。

広大な河原を擁するこの四国一の大河の滔々とした流れに浮かび、いくつもの橋をくぐり、いくつかの町を通りぬけていく。
下流に向かうにつれて、次第に瀬の間隔は広がってくるが、依然として瀬は続く。コース後半に差し掛かるとさらに水が澄みきってくるのは、沿岸の急峻な河岸段丘を流れ降りるたくさんの支流のお陰であろうか。

「四国三郎の郷」の前にあるのが、吉野川三大川中島のひとつ「中鳥島」。その脇を通る右岸側の傍流の瀬を抜けるとゴールの青石橋は目前である。

欲張って距離を取りすぎたせいか、ゴールしたのは日没寸前。

時にはライニングダウンを余儀なくされるくらい浅い瀬もあるが、澄んだ水に快適な流れが楽しめるのはこの時期だからこそ。

真冬の寒さに負けないよう、ドライスーツの中にアクティブスキン+フラッドラッシュ+ポリゴン2ULのレイヤリング。これで長いツーリングを快適に過ごすことができた。

【当日のデータ】
水量:池田ダム放流38.17-37.90t, 池田0.73m, 中藪0.40m
プットン:池田港
テイクアウト:青石橋左岸
距離:22.6km
ボート:インフレータブルSUP
グレード:2.5級
所要:4.5時間
Day 2. 吉野川大歩危(国境~堂床)SUP 2014.12.28

ルートファインディングとライン取りの正確さ、ホールパンチングなど、ホワイトウォーターでの総合力が問われる。迫力のある瀬が続く、中上級者向けのコース。
ターコイズグリーンに透き通った水と、雨に煙る幽玄な渓谷。往時の交通の難所大歩危・小歩危は、現代では風光明媚な渓谷として観光客を集め、また、ラフトやカヤックなどのホワイトウォーターパドリングのメッカでもある。

コースは、大歩危コースの国境の瀬から小歩危コースの堂床までの、いわゆる中歩危セクション。前日から一転、本気モードのホワイトウォーターである。メンバーはフィールドを熟知する「サファリ」矢野氏と、早明浦ダム下の吉野川や四万十川でリバーSUPのツアーを行っている「そらみる」の西原さんの3名。
大歩危のメインの瀬の一つである国境の瀬からプットイン。道路からボードを担いで崖下の河原に降りる。大岩が点在する落差のある長い瀬を、左岸側から進入する。荒れた水面やバックウオッシュに負けず、本流センター目掛けて斜めに抜けていく。途中でフィンがヒットしてしまい、堪えきれずにニーリングしたが、落水は何とか免れた。
その後もクラス3の瀬が続く。その中で、落差のあるドロップも時折現れるので、気が抜けない。

左岸の急峻な崖の上に、道の駅ラピス大歩危が見えたら、コースはいよいよクライマックス。急加速する流れに押され、カーブのアウトである左岸に寄せられてしまうと、ポワオーバーが待ち受けている。複雑で激しい流れに揉まれながらなんとか瀬をクリアする。
短い瀞場を過ぎ、ドライブイン 「まんなか」直下にある幸せの滝の瀬を抜ける迎。ここも速くてスリリングなシュートである。
その先にある小さなドロップを過ぎると長い瀞場の始まりの場所に遊覧船の船着場がある。ラフティングは冬季休業だが、遊覧船は運行中。遊覧船の航行を最優先に十分配慮する決まりだ。具体的には、出航前の船があれば出航するまで上流で待機。船が接近してきたらかなり離れていても、上流エディから動かず待つ。

遊覧船が回航する約1.5kmの瀞場の深いゴルジュが歩危峡観光のハイライトである。この日は、冷たい雨でさらに幽玄さを増している。ここをのんびりと漕ぎ抜ければテイクアウトの堂床だ。
遊覧船が回航する約1.5kmの瀞場の深いゴルジュが歩危峡観光のハイライトである。この日は、冷たい雨でさらに幽玄さを増している。ここをのんびりと漕ぎ抜ければテイクアウトの堂床だ。

今回の中歩危セクションは、ホワイトウォーターSUP向きの川相で、本音で面白いコースだった。

【当日のデータ】
水量:池田ダム流入40.29-36-81t, 豊永0.19m
プットン:国境の瀬
テイクアウト:堂床スロープ
距離:9km
ボート:インフレータブルSUP
グレード:3級
所要:3時間

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