※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
台湾・哈伊拉羅溪遡行Day4-6
2014年11月18日

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遡行4~6日目は核心部に突入。終日ゴルジュの中で過ごす日々が始まった。
(レポート:相川 写真:相川、大西、Jasmine)
<11月18日>
歩きだして間もなく、両岸を崩壊壁に囲まれた12m滝が行く手を阻む。
右岸側をトラバース気味に絶妙に登ることができた。
12m滝を越えると両岸切り立ち始める。この第3ゴルジュ、斧でスッパリ割ったようなスケールの大きなV字谷に滝が次々とかかる絵にかいたようなザ・ゴルジュとでもいうべき渓相だ。
しょっぱなの4m滝は相川リードでワンポイントのエイドの後、トラバースして越える。
続く2段4m、大西が右から泳いで凹角に取りつき、ハーケン2発で越える。後続はスリングで確保。
このゴルジュはスケールも水量もあって、かつ絶妙に水線を抜けることができておもしろい。大釜8mは相川が泳いで取りつこうとして跳ね返されるも、左壁を微妙なエイドとフリーでトラバース、しびれるクライミングで突破する。
息もつかせぬ展開でゴルジュは続く。続く6m斜瀑を大西がさすがのフリー力で突破。回り込むとその先に大きな空間が。
本流が8m、40mの2段の滝、支流の馬戛英渓が強烈なゴルジュとなって合流するすごい光景にしばし見とれる。しかしのんびりとしてはいられない。朝からビバーク適地は全く見当たらず、少なくとも、この滝は越えないことには、苦しいビバークが待っている。
8m滝の落ち口からの草付きリッジを登り、傾斜の強まるところから空身でロープをつけて登りだすがこれが最悪クラスの巻き。時々生えている立ち木を心のよりどころに、草をホールドにしてボロボロの壁をトラバースしていく。しっかりとした支点が取りにくいため、荷揚げにもてこずり、たかだか最後の30mくらいの標高差の突破に3時間もかかってしまった。
なんとか大滝の落ち口に降り立った時は夕闇は目前。幸い、落ち口すぐ上にあった10mほどの広さの砂の台地がゴルジュの中の絶妙なビバーク場所となった。今回は、ビバーク地にはとにかく恵まれた。夕闇せまり、そろそろヤバいなと思う頃、決まって素晴らしいサイトが現れてくれた。
<11月19日>
しょっぱなから強烈なゴルジュが続くが、朝イチの泳ぎは避けて右岸の尾根経由での巻きを選択する。軽い巻きだと思っていたが、懸垂一回では降りれない場所まで追い上げられ、下降し点が取れずに手間取る。今回の遡行で、唯一の残置ハーケンを残して懸垂。
その先はしばしの癒し渓区間が続いていた。エメラルドグリーンの釜と緩やかな滝が続く、素晴らしく美しい渓相。
ハッとするような美しい釜を持った5m滝。
癒し系は長くは続かない。次第に水路状のゴルジュの渓相となってくる。
この水路ゴルジュがなかなか厄介。これまでと比べると、側壁はそれほど高くはない。スタカットを必要とするほど、シビアな登りはない。しかし、ほとんどの区間で全く気を抜けない。
<11月20日>
朝からひたすら水路ゴルジュだ。朝イチの冷たい泳ぎが体力を奪い、終日震えながらの遡行となった。
台湾とはいっても11月は十分に寒い。感覚的には、10月初めの日本の山くらいの気温か。
この区間はとにかく忍耐だった。
釜を泳いで取り付き、滝を越え、際どいへつりを繰り返す。
渓相はすばらしく美しいが、のんびり楽しむ余裕はない。
難しくはないのだが、ずっとこんな感じなので時間的にロープを出していられない。落ちてはならないところを確実に登る力がいる。
この日の最後は、わずか2mの滝と水路状の区間を越えることができず、延々100mもの高巻きを強いられた。
大高巻きのご褒美か、巻き終わった先には、穏やかで落ち葉の積もった最高のビバークサイト。
しかし、パーティ内には次第に焦りの色が漂い始めていた。なにしろ、ここ連日、1日に1kmそこそこしか進めていないのだ。そして、核心と目される地点はまだ先にある。

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遡行図(図をクリックで拡大)