※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
コロラド・リバーSUPトリップ [後編] ~ROAD TO COLORADO
2014年6月12日

伝統のレース「FIBArk」に参戦。真のリバーカルチャーに触れる。
(記事:三宅、写真:三宅)
2014.06.12
開拓時代の面影も漂わせる小さな町Salidaで開催される「FIBArk」 は、アメリカで最も古く、最も盛大なローカル・リバーイベントである。カヤックやカヌーのスラローム、フリースタイルやクロス、ダウンリバーレースなど、幅広いジャンルの競技が行われる。それだけではなく、移動遊園地や食べ物や雑貨の出店、ヒルクライムレースにカラオケ大会、カヤックメーカーのブース出展など、街を挙げてのお祭りなのである。
朝早くに川に出て、土曜日のSUPクロスためのコース練習。この段階でスラロームコースのゲートは張られているが、クロスのコースは未定なので、コース区間の瀬をくまなくカバーするようにして、軽く3本下ってみる。
その後、BADFISH SUPの工房を再訪する。マスプロダクションは中国で大量生産されているが、この工房ではプロトタイプやカスタムボードが製作されている。この日は、新商品のプロモ撮り。マイクTが司会を、ザックが撮影を担当。自分達で何でも作る実践の姿にモノ創りの原点を見た思いだ。
午後は、マイク・ハーヴィとパークのスカウトウエーブでサーフィン。12歳のマイルズが、もはや大人では歯が立たない驚異的なサーフィンマニューバーを繰り出す。
長く借りていたリバーサーフボードをここで返却、リバーサーフィンはこれでおしまいとして、最後のレースに向けた体勢になった。
この日のパドリングはこれで切り上げて、Salidaの街を散策、スーパーマーケットで食料を買出しして宿に帰った。
2014.06.13
朝からダン・ガベアのパーソナルレッスン。折りしも60t超というパワフルな水量が流れるSalidaのスラロームコースは、本格的なホワイトウオータースキルを学ぶのに絶好の環境である。内容はエディのインアウト、ホールパンチングなどホワイトウオーターのコントロールに特化したもの。そこで強調されたのは「パワー」「アングル」「リフト」の3つのコンセプト。彼が示すパドリングスキルは、そのままほぼカヤックのプレイボートから置き換えたもので、自分の考えと符号していた。ホールやエディラインに慣れ、瀬の構成全体を把握することなど、翌日のSUPクロスのコース練習としても大きなプラスになった。
パーク沿いのカフェでダンとSUP・カヤック談義の後、一旦ホテルに帰り、夕方から再びダンと川へ。日曜日のダウンリバーレースのコース、その前半のベアクリークの核心部過ぎまでの下見と、SUP Magazineの取材を兼ねる。
コーススタートのパークとベアクリーク核心部は、ストッパーホールなどの強い流れを伴い、落水の可能性が高いが、その他は快適なクラス2が延々と続く。レース前に肝心の部分を一度下れたことと、ダンのライン取りを見ることができたことは大きな収穫となった。
2014.06.14
SUPクロスは午後3時から行われる。朝一番にレジストレーションを済ませ、スラロームレースを観戦した後、町のスーパーで食糧買い出しを済ませ、モーテルに戻り昼食と仮眠。2時に会場に戻り、ゲートがセットされたコースで3本ほど練習。ところが、いよいよレース開始という頃になって天候が急変。強い風が砂塵を巻き上げ、太陽が隠れて、冷たい雨に降られ体感温度が急激に下がる。
選手は岸に並んで片足をボードに載せた体勢からスタート。一斉に対岸のブイへ殺到し、そのまま直下にあるビッグウエーブに突入する。ここで十分体勢が整っておらず落水する選手も少なくない。ダウンゲート2つとアップゲートをクリアすると、ビッグホールを突破し、その下の右岸エディをキャッチしてアップゲートを回り、再び本流に出て最後のダウンゲートを通ってゴールする。
予選から早々とダン・ガベアと同組になったが、なんとか追いかけてセミファイナルへ進出。しかしそのセミファイナルで、またしてもダン・ガベア、さらにマイクTと同走で敗退。一方、敗者復活から勝ちあがった高畑選手も、ファイナル進出は成らず。
ファイナルは、互いのボードを擦り合う激しくもフェアなデッドヒートを制し、ダンに競り勝ったスペンサー・レーシイが1位、ダン・ガベアはアップゲートで挽回しつつあった瞬間、後続にブロックされて失速、スペンサーの先行を許して2位。3位にダークホースのロス・ウイリアムソンが入った。
2014.06.15
遠征最後のパドリングは、伝統のFIBArkダウンリバーレース。パークから10マイルの長丁場のレースである。
スタートして早くも5人の先頭集団が形成される。間に1人置いて、次の4人ほどの集団に位置して追いかける。瀬の限られたルートの中での追い越しは難いのだが、スタミナとパワーに劣る自分には、数少ないチャンスでもある。
蛇行と波が続くエリアで、集団から抜け出し、先頭から少し遅れているマイク・ハーヴィの背中を捉える。マイクとの差を徐々に詰めて、ベアクリーク核心部で隙を突いて追い越す。核心部を過ぎても気が抜けない瀬が続き、先頭集団の姿が徐々に遠くなっていく中、マイクと2人だけのデッドヒートとなる。と言っても、声を掛け合い、2人ともレースを楽しみながらゴールを目指していく。1時間以上の長いレースタイムだったが、そのお陰でも心が折れることなく頑張りきることが出来た。結局8位でフィニッシュ。上位の結果は、1位スペンサー・レーシイ、2位マイクT、3位ダン・ガベア、高畑選手は6位だった。
パークへ戻って、ちょうど良い日射しに照らされながらウエアやギアを乾かして、帰路に向けた荷物のパッキングを行う。
表彰式を終え、アメリカ・カヌー・協会のSUPインストラクションを主導するチャーリー・マッカーサーとランチして情報交換。そして
日暮れ前に慣れ親しんだSalidaを離れ、長い帰路に。今夜の宿はデンバー、そして、翌早朝に帰国のフライトが待っている。