※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
上越・高棚川左俣遡行
2014年8月14日

記録的な天候不順に見舞われたこのお盆休み。
巻機山北面の五十沢を狙ってきたものの、1日試登したのみで水量的にも天候的にも突っ込める状況ではなかった。代わりに、登山体系と地形図、天気予報をにらみながら、日帰りで面白そうな沢を探して入ってみたが、巻機山の北方のイワキ頭という藪のピークにつき上げる高棚川(こうだながわ)左股が面白かったので、紹介しよう。
ただし、詰めが非常に悪いので、力量の揃った上級者向きの沢だ。
(写真:相川、和田、レポート:相川)
登山体系では、高棚川右俣が登攀系の「異形の沢」として紹介されていた。これは行ってみるしかあるまい。どうせなら、「より厳しい」としか書かれていない左俣を登ってみよう。遠目にも、上部が強烈にせり上がっているのが見える。写真左上の岩壁の手前のルンゼを詰めるのが、左俣だ。
序盤は特に盛り上がりもない、小さな沢だが、徐々に大岩が多くなり、4、5mクラスの滝が連続するが、特にロープがいるほどではない。
750m二股の手前の5m滝は、左のスラブをフラットソールに履き換えて突破。
750m二股を過ぎて、谷が左に曲がる。その先に見事な4段30mの滝を見て歓声を上げる。一段目は釜を泳ぎ、シャワークライムで突破。
2~4段目は左壁のスラブを一気に登る。フェルトソールでは、微妙なクライミングだった。
810m付近で左に分岐する沢が左俣だ。見るといきなり、迫力ある5mチョックストン滝がお出迎え。左の水流をシャワークライムで突破。
CS滝の上は溝状の15m滝。うーん、これは直登困難か。
左の岩壁を登って巻きに入るが、このトラバースがいかにも雪国な草付きで悪い。あるのは文字通り「ウドの大木」ばかり。浅打ちハーケンにタイオフしてかなりのランナウトでロープを伸ばし、突破。
巻きの途中から、なんか冷気が流れてくるな~と思ったら、滝の上は見事なV字ゴルジュが続き、崩れた雪渓が谷をふさいでいた。しかも、これまでに見たことがないほど微妙なスノーブリッジが残っている…。
スノーブリッジの下をそっと駆け抜ける。立ち止りたくない場所だ。
直線ゴルジュ区間は、小滝が続く楽しい区間だった。再びボロボロの雪渓を越えると、1050m二股。左からは、溝状の岩壁を流れる滝。右からは、すごいゴルジュが合流して来ていて、心ひかれたが、残りの時間も考えると、ここは左か。
左の溝状30m滝をロープを出して登る。ここは快適なクライミングだった。
谷は狭まり、傾斜はだんだん強まってくる。あまり見通しが利かないため、小滝だと思ってノーロープで取り着いたら40mくらいあって肝を冷やした。
傾斜はどんどん強まり、最後はほとんどフリーソロ状態に。
ロープを出すに出せず、お互いの力量を信じるしかない。
最後は藪をつかんでかき分ける腕がパンパンにパンプするほどの壮絶な藪漕ぎを経て、イワキ頭へ。イワキ頭は、1367mしかないとは思えないほどの高山感がある、好展望の良いピークだった。
いい沢だったが、最後のフリーソロ状態と藪こぎを考えると、一般向きとはちょっと言えないか。
ここから、登山道のある高城山までの1km弱の稜線は登山道がない。先ほどの藪こぎレベルの藪だったら、日が暮れるのでは、と恐れていたが、そこまで厳しい藪こぎではなかった。1.5時間ほど、藪を漕いで、高城山へ。
高城山は、山頂付近になかなかのスケールの岩壁が続く良い山だった。山頂はまさに岩場の上にあり、展望抜群。一部不明瞭な区間もあるが、2時間半ほどの登山道の下りで林道へ。
遡行図(図をクリックで拡大)