※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
カナダ・アイスクライミングトリップ
2014年3月17日

3月17日~23日にかけてカナダでアイスクライミングを楽しんできた。
カナディアンロッキー周辺は急峻な地形と低い気温、少ない降雪という自然条件に加え、アクセス道路の整備の良さに整ったインフラで世界でも屈指の条件の良いアイスクライミングフィールドだ。

なお、カナダでのアイスグレードは日本国内の感覚より、明らかに辛目に感じる。WI4でかなり長いバーチカル部分がある場合が多かった。
(レポート:相川 写真:相川、橋本、石間)
カナディアンロッキーエリアの玄関口、カルガリーには日本からの直通便はなく、バンクーバーを経由していくことになる。そのため、8日間の行程で、実質のクライミング可能な日は5日間だ。
このエリアの中心地、バンフ、キャンモアまではカルガリーから140kmほど。
カルガリーから伸びるTrans Canada Hwy 1沿い、および途中から分かれてJasper方面に伸びるIce Fields Parkway沿いは安価なHostelが点在しており、目的地によって、ベースを選べるのは便利だ。
今回は、初日、および4,5泊目はキャンモア近くのACC(The Alpine Club of Canada)のロッジを、2,3泊目はIce Fields Parkwayの途中のRampart Creek Hostelを利用。ロッジ利用者もほとんどがクライマーや登山者だった。
<3月17日:移動日>
17日の14時の飛行機で関空を発ち、カルガリー到着は17日の14時。ん?と思うかもしれないが、時差が-16時間なので、ほぼこの時差分、移動に掛かっていることになる。
その日はカルガリー、キャンモアで買い物をして、夜遅くにACCのロッジに入った。
<3月18日:ハフナークリーク>
移動疲れと、昨晩遅かったので、この日はショートルート中心のハフナークリークへ向かう。
途中見られるカナディアンロッキーの山々は素晴らしい。
これは、スリーシスターズ
バンフの背後にそびえる。Mt.ランドル
ハフナークリークは、駐車場からほぼ平坦のアプローチを30分強。
ルートは、アイスが数本と、スポートミックスのルートが多数。
アイスルートを登り、周辺のミックスルートで遊ぶ。
有名なキャッスルマウンテンを前方に眺めながら移動。この日の夜はRampart Creek Hostelにベースを移す。Ice Fields Parkwayの中心部にあり、原野の中にポツンとあるHostelだ。冬の間は、ほぼクライマーのための宿。ちなみに、電気、水道は来ていないので、発電機とタンクの水を使う。
<3月19日:Weeping Wall Right Hand side 180m WI5(途中敗退)>
早朝、Hostelを出て、北へ走る。このあたりは道路の左右のそこかしこに巨大な氷瀑が見える、素晴らしい景色。
有名ルートのPolar Circus WI5 400mが良く見える。ただし、このルートはアバランチリスクが高く、全体的に積雪量が多くてアバランチリスクがやや高い日が続くこの時期はあまり向いていない。
Weeping Wallはこのあたりでも顕著に巨大な氷瀑だ。
Lower Weeping Wallだけでも巾50、高さ180mほどあり、その上に同じくらいの高さのUpper Weeping Wallもある。それが、駐車場からわずか5分!
氷の状態があまり良くないと聞いていたが、左端のSnivelling Gully WI3(写真外)はすでに水が流れ、壁のど真ん中のWeeping Pillar WI6は完全にボロボロ。Left Hand Side WI4もだいぶ氷が白っぽい。一番状態の良さそうなRight Hand Side WI5を選択。
1ピッチ目、傾斜は緩いが氷が脆いところもあり、結構悪そうだ。
2ピッチ目、氷はしっかりしてくるが、傾斜はきつくなる。ほぼバーチカルな浅い凹角をどんどん登っていく。爽快!だけど1ピッチが長く、しんどい!
3ピッチ、ほぼ半分くらい登ったところで、氷質がかなり悪化。相談の末、実力不足と判断して残念であるがここで撤退することにした。少し右手のしっかりとした氷を使ってV-スレッドを作成、懸垂下降で降りた。
<3月20日:Louise Fall 115m WI4-5>
この日は2ヶ月滞在して、地元クライマーにIce Ninjaと呼ばれているIさんと合流して、Louise Fallへ向かう。有名観光地、Lake Louiseのほとりにそびえる100m超の氷瀑で、駐車場もアクセス路も快適
30分ほど湖の周囲の道を歩くと、Louise Fallが見えた。
洞窟状の快適なスペースがあり、登攀準備。人気のルートであるが幸い真っ先に取りつけそうだ。Iさんは、今回何とフリーソロにトライするという。
1ピッチ目。ほどよい傾斜の快適なクライミング。できるだけロープを伸ばす。
2ピッチ目はトラバースから凹角を登るイージーなピッチ
3ピッチ目、洞窟状から氷柱を登る。短いが核心ピッチ。
4ピッチ目は傾斜はあるが、スタンスなどが豊富な登りやすい氷。樹林帯にすっきりとトップアウトした。
Louise Fall、スケールもロケーションもGoodで氷もしっかりとして登りやすい。おススメ。
<3月22日:Moonlight 110m WI4>
3/21日は、天気が悪かったこともあって、ハフナークリークで軽く登っただけでほぼレスト日。
翌22日は、Even Thomas CreekのMoonlight 110m WI4を目指した。
朝、快晴ながら、駐車場での気温がマイナス21度とガッツリと冷え込んだ。今回はWeeping Wallで知り合った韓国クライマーのヒヨン(アイスのワールドチャンピオン)とフォトグラファーのレアも一緒になっての5人パーティだ。
アプローチは1時間程度とちょっと長めだが、ほぼフラットで絶景のため、苦にならない。
右手の崖にかかるMoonlightが見えてくる。開けたクリークに掛かる、素晴らしく見栄えのするアイスフォール。なかなかの傾斜だ…
最上部が見えてないが、ほぼ全景
一ピッチ目
隣のSnowlineというシンアイスのルートを登るHeeyong。ムーブがダイナミックだ。
最終4ピッチ目を登攀中。後から登ってきたクライマーがすごい勢いで追い抜いて行ったが、後で聞くと偶然だがヒヨンらの知り合いで、国際ルートセッターのアティリオのパーティだった。
すっきりとトップアウト。素晴らしいルートだった。背後の針葉樹が美しい。
その晩は、ヒヨンのパーティ、アティリオのパーティとともに、にぎやかにディナー。最後の夜を楽しんだ。