※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
北アルプス・黒部川下ノ廊下トレッキング
2013年10月12日

水平歩道・下ノ廊下・日電歩道 縦走
今回のコースは欅平から黒部を目指す登りのルートとなる。
通常、黒部ダム側からスタートし、この欅平をゴールとして最後にトロッコ電車で下山するスタイルが一般的に人気だが、逆ルートの下ノ廊下を満喫した。
(レポート:佐藤、写真:佐藤、高木)
■2013.10.12 欅平から阿曾原■
逆ルートはスタートから350m程度の急斜面の登りとなる。天候は雨で時折、強雨となるなど不安定な天気。
この区間は例年9月末頃から10月末頃までの秋期しか通ることが出来ない期間限定のルートとなっている。
急斜面を超えると間もなくして水平歩道へと入る。
この黒部渓谷は黒部川の中流から上流にあたる立山連峰に囲まれたV字谷で、古くから秘境としてごく一部の登山家以外には未踏の地とされていた。
昭和の高度経済成長期に施工されることになったダム建設に伴い開拓されたルートが、こうしてアルペンルートとなっていることは今ではすっかり知られたところだ。
対岸には奥鐘山西壁。その山肌が目の前に迫る。
志合谷の長いトンネル。約150mほど続くトンネル内は暗闇により全く視界がなくなるのでランプ類は必須アイテムだ。なお足元には流水あり。
これほど奥までトンネルを掘削しなければならなかったことが、いかにこの渓谷が特異であるかを物語っている。
絶壁の崖がコの字状に削り取られ、こうして道となっている。
折尾谷の砂防堤トンネル。この沢は渡渉ではなく設置されたトンネル内を通過する。
このルート全般に言えることだが雨の影響により徒渉箇所が増えたり、普段の水量では岩肌を濡らしている程度のポイントもシャワーとなることもある。
阿曾原のテン場が見えてきた。雨にも関わらず、すでにテントがたくさん張られている。我々も今回はテント泊だ。
2日目から天候が持ち直してくれることを期待し、この日はゆっくり温泉に浸かってから就寝した。
■2013.10.13 下ノ廊下 黒部ダム■
日の出前にテントを畳み、行動開始。テン場からひと山超え、しばらく歩くと突如として宿舎が姿を現す。
さらに登山道は建物内部へと続いており・・・
中に足を踏み入れる。登山道の一部が施設の中に通じているのだ。
ここは、かの「高熱隧道」だ。トレッキングでありながらこうした近代化産業遺産の施設内を歩けるのも、このコースの見所のひとつだ。
東谷吊橋を通過。眼下が丸見えの吊り橋を渡る。
目に映る水の色は、ほのかにエメラルドグリーン色を帯びており、つい惹きこまれそうになる。
昨夜の雨の影響でシャワーの洗礼を受ける。足場が非常に狭く、かつ滑りやすい。そんなヘツリ壁。濡れるのは必須だ。
逃げ場なし!!
人、ひとり分の道幅と絶壁。
十字峡、通過。
実は今回は紅葉のピークではなかった。例年よりも若干遅れているとのこと。残念ではあるが、それでも十分に我々を満足させてくれる要素が詰まった山容だ。
白竜峡、S字峡は下ノ廊下の見所のひとつだ。奥へ奥へと足を進めながら次々と変化していく渓谷の姿には目を奪われる。
大自然の渓谷を歩くことができるこのルートは魅力満点。
なお、この辺りから下りの登山者とのすれ違いも多くなってきた。すれ違う場所を対向者と確認し、譲り合いながら進むことになる。
今回の最長の丸太梯子。距離もあるが、そもそも梯子が設置されている場所自体が高い。
切れ落ちた絶壁に挟まれた渓谷にして豪雪地帯であるが故に、ルートの崩落とその補修が毎年繰り返されている。
この先には何が待っているのか。まだ見えぬその先の展望もきっと素晴らしいはずだ。そんな心躍る渓谷歩きが続く。
開けた場所で小休止。日差しも心地良い。
周囲の山々は部分的に紅葉しており、一面の紅葉ではなく緑、黄色、橙に散りばめられた景色も捨てたものじゃない。つい撮影したくなる。
黒部ダム放水口の下流に到着。放水により水量豊富だ。しばし放水の様子などを楽しみ、惜しみつつトロリーバスで下山した。
黒部渓谷の魅力を大満喫した山行となった。
なお、このルートは毎年開通期間が若干異なり、また、落石の危険や登山道の崩壊などもあるので事前に整備状況などをリサーチしてからの入山を臨みたい。