※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
北アルプス・西穂-ジャンダルム-奥穂-前穂縦走
2013年9月21日

週末の度に天候が崩れがちだった今夏。待ちに待った好天続きの連休を利用して紅葉前の西穂・ジャンダルム・奥穂・前穂を縦走してきた。
(レポート:佐藤、写真:佐藤、高木)
■西穂独標・ダイヤモンドピーク 2013.09.21■
初日は翌日に控えているジャンダルム縦走用に体力を温存すべくロープウェイを利用し、西穂高口駅まで高度を稼ぐ。そこから山荘までのトレッキングを楽しみつつテン場に早めの到着。
テント泊の準備を済ませている間に、テントサイトは早い時間にも関わらずアッという間にフル幕営状態となってしまった。
体力温存の予定だったが時間に余裕もあったため、不要な荷物をテン場にデポして丸山、西穂独標、さらにダイヤモンドピークまで下見を兼ねて足を延ばした。展望は素晴らしく、明日からの縦走に心が躍る。
いったんテン場に戻って食事を済ませ、夕焼けを堪能するためにテン場から少し登った高台に。稜線に沈みゆく今日の夕陽は最高だ。
連休ということもあってテン場、山荘ともに大混雑。アクセスしやすい山荘ということと、久しぶりの好天続きの連休とあって大変な賑わいをみせている。
この日ばかりと陽が沈んでも多くの人がテラスで思い思いに語らっていた。
■西穂高岳・ジャンダルム・奥穂高岳 2013.09.22■
今回の行動開始は早い。日の出前にはテン場を出発。しかしすでに先行で出発した人が、これから我々が向かう先の遠くの稜線でヘッドランプを灯して歩いている。ただし暗闇の中での行動はそれに応じた装備、ルートを熟知しているなどの条件が揃ったうえでのものとなるので注意が必要だ。
昨日歩いた西穂独標、ダイヤモンドピークを通過。先を目指し歩き続ける中でそのまま日の出を迎え、西穂高岳についた頃には周囲はすっかり明るくなっていた。
緊張感の続く岩場の稜線歩きは延々と続くが、逆層スラブの長い鎖場なども登場する。今回の逆層スラブは登りだったが、仮に逆ルートをとった場合はここを下らなければならない。
先ほどの急斜での逆層スラブ以外にも鎖場、限られたホールド&ボルト無しのポイントなど次々と訪れる岩稜のアップダウン。ジャンダルムまではもう少しだ。
ジャンダルムがいよいよ目の前に迫る。最後の取りつき手前。その大自然が作り出したシルエットは、なんとも素晴らしい。
頂を目前に気持ちがはやるが最後の取りつきも慎重に進む。
ジャンダルム到着。両サイドは見事に切れたった絶壁になっているが、そこから見る景色の素晴らしさが高所の恐怖心を薄れさせる。
ジャンダルムの頂に立ち、どこか達成感をにわかに感じていた直後にロバの耳、馬の背が続けざまに現れ、決して油断してはならないルートなのだと改めて痛感することとなる。
振り返るとたったいま通過したジャンダルムや馬の背が。判っていたことではあるが、一般の登山道であれば鎖や梯子、ボルトがあるのが当然の場面でも、このルートには最低限の部分にしか設置されておらず、滑落・落石などの危険性も含めるとやはりかなり危険なルートであるといえる。
奥穂高岳に到着したが山頂はサラリと通過し、山荘に向かう途中には時折、涸沢のテン場が見下ろせた。
なお先ほど通過した奥穂山頂は前穂、槍・涸沢方面から向ってきた人も合流し、山頂には多くの登山者が訪れていた。そして・・・
その人の流れは白出のコル手前の連続する梯子に押し寄せる形となり、テン場を目前に1時間近い渋滞に巻き込まることとなった。
夕方にかけて気温が徐々に低くなっていく時間帯だが、荷物を山荘にデポして軽装・薄着のままの奥穂山頂に足を運んでいる登山者も多々見受けられた。渋滞で思わぬ足止めを余儀なくされたように、登山人気に伴い山でのトラブルのひとつがこんなところにも潜んでいる。
白出のコルにあるテン場、着。すでにテン場は埋まっており、臨時設置場所となる山荘脇に誘導された。ひと休みするも時間を持て余しつつあったのでせっかくなので更に足を延ばし、すぐ先にある3000m峰のひとつ、涸沢岳を登ってきた。
涸沢岳からの下山道。テン場もいっぱい、テラスも大賑わいの様子が伺える。
そんな雑踏の中で今回は偶然にも仲間と遭遇した。珍しいこともあるものだ。ソロで大キレットを縦走してきたとのこと。我々のパーティーもジャンダルムを無事に通過してきたことを伝える。
この場所からはジャンダルムの展望が抜群にイイ。明日は再び奥穂高岳に登り返し、前穂高岳を目指すことになるが、この日も山荘前のテラスは遅くまで大変賑わっていた。
■奥穂・前穂・上高地 2013.09.23■
この日も出発は早い。日の出を見るために各人が早朝から奥穂を目指すので万が一の渋滞を避けるため早々にテン場を出発。涸沢岳や槍を目指す人のヘッドライトが点々と輝いている。
奥穂山頂で御来光を満喫し、吊尾根から前穂を目指す。
吊尾根も展望が良く、歩いていて気持ちがいいが落石や踏み外しの注意は怠れない。
今回の縦走登山の最終ピークとなる前穂の急斜面。荷物は手前にある下山分岐点にデポしたので身軽だが、疲労気味の脚にはなかなか堪える。
そして、またまた偶然にも別の仲間と遭遇したが同じく前穂を目指して急斜と奮闘中だった。
今回の最後のピーク、前穂高岳に到着。雲海の展望は最高だ。
これで西穂、ジャンダルム、奥穂、前穂高岳を巡った縦走登山も下山を残すだけとなる。
重太郎新道は急斜面の岩稜下りが続く。連日の縦走で脚の踏ん張りがきかなくなりつつあるということもあり、最後まで気が抜けない。
上高地、到着。待ちに待った好天続きの縦走登山を大満喫した3日間となった。
■主なピーク
西穂高岳 2909m
ジャンダルム 3163m
奥穂高岳 3190m
涸沢岳 3110m
前穂高岳 3090m