※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
知床半島一周 シーカヤックの旅
2013年8月12日

知床半島は、半島南側の相泊からウトロまで、手つかずの自然の海岸が60㎞以上続き、隔絶された状態でのマルチデイ・シーカヤッキングが可能な日本における貴重なフィールド。ヒグマなどの危険、限られた場所を除いて上陸困難な海岸線、強い風と荒れれば厳しい海況など、様々なリスクに対処するスキルがあれば、素晴らしい海の旅を楽しむことができる。

今回は序盤はやや厳しい天候だったが、中盤以降は比較的天気にも恵まれ、のんびり遊びながら、4日かけて半島一周に成功。様々に表情を変える海、素晴らしい景色、豊かな海の幸を堪能することができた。
(レポート:相川 写真:相川・板倉・溝辺)
昨年、歩いて一周しているので、おおよその海の状況、暗礁、地形などは頭に入っていた。
ルートはウトロから出る時計回りと、相泊から出る反時計回りが考えられる。
この時期は、南から南東の風が卓越することを考え、海峡の厳しい羅臼側で追い風に乗れ、最大のポイント知床岬を日程に余裕があるうちに超えられる相泊発反時計回りのルートを選択。(図はクリックで拡大)
初日の午前中は相泊、ウトロの回送に費やす。豪雨と小雨が断続的に続く厳しい天気。
正午過ぎ、何とか漕げるコンディションと判断して出艇することにした。
初日はモイレウシ湾までの10kmに満たないショートルート。
風と雨がきつい中を一気に漕ぎ切った。
モイレウシは晴れていれば最高に気持ちがいい場所だが、今回は終始風雨がキツく、今回の日程中最も辛いキャンプになった。
翌日、雨はほぼ止み、風の弱まったタイミングを計って出艇。追い風に乗ってスピードは上がる。
昨年歩いて一周した時、赤岩の番屋でお世話になった。今回も近くまで行ってみたが、留守の様子。すると、少し先で番屋のおばあちゃんを発見。上陸して昨年のお礼と立ち話をした。この辺りは暗礁が複雑に入り乱れていて、上陸には注意が必要だ。
知床岬付近では沖へ向かう風が強い。流されるとロシアの国境警備隊のお世話になることに(実際にあった話だそうで)
ここを超えて風裏に入ると一気に風は穏やかになった。岬付近で上陸。
岬付近は奇岩の宝庫
1年ぶりに知床岬に立つ。
知床岬の台地下を漕ぎ進む。
水面が鏡のように穏やかになってきた。
時間を考え、アウンモイ川を泊まり地に決定。目的地少し手前に青い水が素晴らしく美しい、流れ込みのある小さな入江があり、そこに立ち寄ってみた。
カラフトマス狙いでしばらく竿を出してみると…
マスは不発であったが、ルアーを追う魚がいるのでワームに変えてみると大型のメバルが入れ食い。今晩のおかずは確保成功。今回は、米と野菜と調味料は準備したが、たんぱく質は現地調達の掟。
狩猟が不発だと、わびしい食事が待っているので、一安心。
夜は盛大な焚火ナイト
翌朝、事件が。
僕らが釣りをしに昨日の入江に行っているうちに、こんなクマの親子がキャンプ地を通過していったようだ。場所が場所だけに想定内ではあったが。
親熊は、定置網が設置していあるところを一つづつ泳いで覗きこんでチェックし、小熊はそれをおとなしく待っていたらしい。賢いねえ。
その熊は、少し後に僕らが釣りをしている目の前で入江を渡って通り過ぎて行った。魚を持って鉢合わせしなくて良かった…
釣りを終えて帰ると、テン場が何やら騒がしい。マスの大群が押し寄せているとか。
早速再び竿を出すと、面白いようにカラフトマスがかかるかかる。
合わせて6匹Get。
一人一匹もどうすると、と思案しているところにちょうど良いタイミングで知人のグループがすれ違い。一匹をプレゼントし、メス二匹を刺身とイクラに。
豪快に捌く!
カラフトマス親子丼完成!
残りは軽く焼いて、今晩以降のおかずとして持っていくことに。
遊び過ぎて、出艇15時過ぎ(笑)。漕ぎだして早々に、再び親子連れの3頭のクマ。海からならば余裕の見物だ。
いかにも知床らしい、原始の風景の中を漕いで行く。
洞窟に立ち寄ったり。
ワシ?タカ?
巨大な鳥。
前方の本日の見所、カシュニの滝。そのさらに向こうにはルシャ川付近で雲がすごい速さで海に向かって流れ出しているのが見える。あれが、ウトロ側最大の難所、沖に向かって突風が吹くという「ルシャ出し」か。
海に直接落ちる滝は非常に珍しい。
本日の幕営候補地、鮹岩周辺を偵察。適地は見つからず。滝ノ川まで漕ぎ進むことに
滝ノ川に近付くにつれ、鏡のように滑らかだった海が次第に波立ち、強烈な向かい風に。ルシャ出しの影響がここまで及んでいるようだ。
その晩はたっぷりあるカラフトマスを材料に、ちゃんちゃん焼きに石狩鍋。
最終日。約25kmの長丁場だ。
風の弱まったタイミングで出艇。ルシャ川付近は、クマ密度が非常に高く、上陸は原則禁止されている。初めは向かい風、ルシャ近くでは複雑に変化する風に変わったが、ルシャ出しは恐れていたほどではなく、川を越えたら追い風に乗ってこの区間を一気に漕ぎ切った。
ウンメーン岩手前で大休止。最後の断崖が続く区間に備える。
再出艇してすぐに、大滝。100m近くありそうで、知床半島の海岸の滝としては最も高いかも。
豪快なカムイワッカの滝。有名な湯の滝の下流に当たる滝だ。このあたりは海の色まで硫黄の影響で色が違って見える。
絶壁が続く五湖の断崖下。
天気も良く、海況も穏やか。最高の景色の中を漕いで行く。
もうすぐゴール、というところででてくる岩尾別川。ここの出し風はルシャ出しより強烈でした。予想していなかったので、結構疲れた。
この最後の難所を越えて間もなくフレペの滝。名前は有名であるが、水量チョロチョロ程度で迫力はない。
知床自然村キャンプ場の海岸に、ついにゴール。