※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
大台ケ原・大蛇嵓P3南西壁「一本だたらVar.」登攀
2013年6月1日

再び忘れられた大岩壁、大台ケ原・大蛇嵓へ。
P3南西壁にある「一本だたら」にトライ。
ほとんど情報のないまま取り付いてみると、核心部は 7,8mくらいある大ハングをチムニーに潜り込みながら越える豪快なルート。もっとアプローチが楽でかつボルトも打ってあればマルチピッチフリーのルートとして大人気になるのでは?と思うような見事なラインだった。
(レポート:相川 写真:相川・村上)
相変わらずアプローチが厳しい。ほぼロープいっぱいの4ピッチの懸垂で大蛇谷に降り立ち、2回の懸垂を交えながら谷を下りようやく取りつき付近へ
昨秋登った「ここにもあったぞエルキャピタン」の取り付きを通過し、まずは偵察。あの途中に巨大ハングがある大凹角が一本だたらか。右のスカイラインが南壁正面ルートかな
取り付きは木の生えた石の詰まった凹角。すぐ左によいビバークポイントもある。
一ピッチ目。巨大な溝の中に入り、溝の右はじのクラック沿いに上る。
ここが2ピッチ目のチムニーを使った大ハング越え。すごい高度感だ。この先でチムニーが狭まり、外に追い出されてかぶった凹角を登ることになる個所が厳しい。
3ピッチ目。かぶった苦しいチムニーを越え、V字状のやさしい凹角沿いにテラスへ。
初日はこれで終了してフィックスし、いったん下降。ハングっぷりがわかるだろうか。
ビバークサイトは2人までならフラットで快適。ハング下なので安全だ。周辺は落石によってダメージを受けたような木がたくさん見られ、ビバークサイトは慎重に選びたい。水は、大蛇谷から離れるときに取らなくてはならない。
翌日は空中ユマーリングでスタート。
足元すっぱり切れ落ちて、高度感が気持ちいい。
4ピッチ目。ピナクルからの乗り移りが微妙なフェースクライミング
ピナクルの上から見ると、すぐ北側にもどえらい規模の壁が見える。P3北西壁?やはり150~200mクラスはありそう。たぶん未登だろう。
このあたり、まだまだ開拓の余地はありそうだ。
5ピッチ目の途中からきれいな斜上するクラックに導かれて派生ラインへ(写真なし)。これは最終6ピッチ目。プアプロテクションで心臓に悪いピッチを越えて樹林帯にトップアウト。
強いパートナーにも助けられ、全ピッチリード&フォローノーテンのオールフリーで完登することができた。
最後の2ピッチ、オリジナルラインのため、「一本だたらVar.」6ピッチ、180m、5.10aとしたい。
下山は不動返し尾根をたどる。出だしのスラブトラバースと、P4かP5に向かう途中のガレたルンゼの横断でロープを使用した。とぎれとぎれながら、踏み跡はある。
アプローチ&ルートのトポを作成(クリックで拡大)。
ギアは、マスターカムとキャメロットの4番まで一セット、ナッツ、ハーケン10枚程度(支点固めのみ)、念のためのボルト(使用せず)。ほとんど再登記録を見ないルートだけに、ビレイ点も含めて支点はほぼ皆無(一個だけ、撤退のために打たれたのか、ボロボロのボルトがあった。)なので、グレードだけで判断せず、未整備の岩を登ることをよく理解し、ナチュラルプロテクションの使用に習熟して取り付いて欲しい。
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