※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
大峰・地獄谷左俣本谷アイスクライミング
2013年2月3日

関西の貴重なアイスクライミングエリア、大峰・地獄谷。
その中でも最大級の氷柱グランドイリュージョンを目指したものの、氷の状態が悪く断念。代わりに地獄谷左俣本谷の上流に位置する名もない氷柱でアイスクライミングを楽しんだ。
アプローチに難はあるものの、周辺の著名な氷柱と比較してもおそらく登攀可能時期は長く、スケールも十分。アイスエリアとしての可能性を感じることができた。
(レポート/写真:相川、小谷部)
シェークスピア氷柱群までのアプローチも今年は非常に雪が少ない。ラッセルはない代わりに逆に危険箇所は多い。
地獄谷右俣をたどり、シェークスピア氷柱群経由で、グランドイリュージョンを目指す。
土曜日の暖かい雨でめぼしい氷柱はかなりダメージを受けてしまったようだ。マクベスとリア王はほぼ崩壊、ハムレットはすでにボロボロ。状態が良さそうなのは、アウトサイダーのみ。
小さな尾根を乗り越し、左俣右ルンゼへ降り立つ。が、グランドイリュージョンの前衛滝40mは落ち口が切れ、水が流れている。
何とか登れないことはなさそうだが、その上のグランドイリュージョンをこのコンディションで登るのはリスクを感じた。天気はよく、これから日が当たりだす状況で登ることはやめることにした。
尾根上に戻り、代わりに登れそうなターゲットを探す。せっかくなので、雪が少ないことも生かして、普段登らないところを登ってみよう。
尾根上から見えるいくつかの氷瀑のうち、地獄谷本谷上流部の北斜面に見えた氷柱を目指してみることにした。スケールはそれほどでもなさそうだが、形の整った氷柱が、3、4本連続して連なっているのが見える。
途中右ルンゼの右岸側にも、40mくらいはありそうなまずまずのスケールの氷瀑がかかっていた。傾斜は寝ており、容易そうだ。
斜面を左上し、目標の氷柱を目指す。途中の15mほどの易しい氷瀑をウォーミングアップがてら登る。
目指す氷柱のすぐ手前にも、こんなエリアが。かなり落ちてしまった形跡が見られたが、ハングに氷が連なったら、なかなか見事だろう。
これが目指す氷柱。この上にもう一段あって、10m~15mくらいの氷柱が3段連なってまずまずのスケールだ。1段ごとに分けて、つるべで登ることにした。
位置的には大普賢岳から南東に伸びる尾根を少し下ったところから、稜線のほぼ直下で、地獄谷左俣本谷にあたる。
1ピッチ目、3mくらいの段差を越えた上の10mくらいの垂直の氷柱を登る。氷柱部分が微妙にバランスが悪く難しい。
2ピッチ目は顕著なハングから下がった、「ミニリア王」とでも呼びたくなるきれいな氷柱。登ってみてわかったが抜け口の氷柱の付け根に水平にクラックが走っていて崩れかけ。ビビリながら何とか抜ける。
3ピッチ目は凍ったルンゼの先の奥まったところにかかる氷柱。抜け口が立っている上に薄く、思ったより悪い
最後は懸垂。トータルで実登攀高さ40~50m、Vくらいだろうか。
この氷柱以外にも、周辺にまずまずのスケールの氷瀑はたくさんある。下から登れば、マルチピッチのアルパインアイスを楽しめるだろう。
帰りは、そのまま本谷沿いに下ったが、正直アプローチ道としてはリスキー。ふだんの年ならおそらくラッセルになり、雪崩の危険も高そうだ。ここを登るなら、和佐又側から下降して取り付いたほうが良さそうだ。
帰路の途中ですでに崩壊寸前になったブライダルベールを通過。その後も数日雨が続いたようなので、もう崩れてしまっているかも。
今回、ぐるりと一周歩いたことで、このエリアの位置関係をよく理解することができた。