※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
台高 東ノ沢奥ノ谷
2012年7月29日

台高・東ノ川奥ノ谷は池原ダムの対岸に直接注ぐというアクセスしにくい場所にあり、遡行記録の非常に少ない沢。昨年白川又で亡くなった川崎実さんの遺作、「秘瀑」に何本か滝が紹介され、ぜひ行ってみたいと考えていた場所だった。
カヤック&SUPでダム湖を渡り、入った谷はなかなか見事なゴルジュの中に登れる滝が連続する素晴らしく楽しい渓相。そして最後に70mの大滝の登攀できっちりシメて、大充実の遡行となった。
何とか湖を渡る手段を調達してでも、行く価値のあるおススメ沢だ。
(メンバー:相川、板倉、池野 レポート:相川、写真:相川)
第一の核心はダム湖の横断。僕はカヤック、SUP(スタンドアップパドルボード)乗りの板倉君はSUPを動員して、湖を渡る。
谷の入り口は、門のように岩が並んだ間をくぐった先の小さなワンド。奥の谷がいきなり10mの滝となって注いでいる。なかなか雰囲気のある場所。
右手のルンゼに上陸。ロープを出して、出合滝の右壁をトラバース気味に滝を越え入渓。
入渓すぐにゴルジュが始まる。廊下の奥に15m直瀑が落ち、いきなりテンションはMAXに。ここは右巻き。
ゴルジュの中の滝の多くは直登可能。一見して無理目に見えるものでも、フリクションが良かったり、意外と浅かったりで結構登れてしまう。大きな釜を持った2条8m
倒木の刺さった、屈曲7m。これも正面突破。
美しい釜を持った滝が多い
時折、支流から大きな滝が注ぎ込む。この滝は50m以上はあるだろう。
本流、支流から注ぐ滝が2条となって釜に注ぐところで行き詰まる。正面は大きなクラで、右の支流はその上からで50m以上の大滝となって注いでいるようだ。
右側の滝のチムニー状から何とか登れそうにも見えたが、今回は源流近くまで遡行するのが目的。左から高巻くことにする。
高巻の途中で見た、廊下の奥にかかる20m滝。なかなか見事な滝だ。先の滝を登れたとしてもこの滝で完全に行き詰まっただろう。その上のすり鉢状の優美な5m滝と合わせて、右岸からまとめて巻く。
いったんゴルジュは終わるが、再び大釜を持った10m滝。これも正面から楽しく突破できる。
上奥の谷の出合へ。奥の谷本谷は前方から40mの大滝となって注ぐ。今回はここから上奥の谷に入ったが、滝の上も見てみたいものだ。
上奥の谷はしばらく平凡なゴーロが続くが、やがて前方に大きな滝が見えてくる。まずは30mほどの下段にとりつく。滝左から取りついて、流れを横断して水流右側のスラブを登る。ここまでは快適なクライミングだ。
下段を登ると、その上に40mほどの上段が続いているのがわかる。合計で2段70mの大滝だ。登攀ルートは水流右の乾いたスラブか。
とりついてみると、これが見た目以上に悪い。特に中間あたりから上は傾斜も強く、プロテクションもほとんど取れない中、草付きに頼ったかなりリスキーなクライミングとなる。
何とか核心を突破して落ち口へ。沢靴では、かなり厳しいクライミングだった。最後に大滝登攀までできて大満足。この滝、おそらく初登のようだ。
小さな滝を三つほどこなして、二股の上で遡行終了。下山は東側の尾根に登って下ることにしたが、尾根に登ったら驚いたことに林業用モノレールが通っていた。そう言えば、対岸からワイヤが渡してあるところがあったが、おそらくそこから伸びているのだろう。適当に利用できるが、最後まで辿らないように。
この下山、相当に難しい部類に入る。ポイントは、750m付近で主尾根から離れて枝尾根に乗り移ること、650m付近で尾根をたどらず、ただの斜面状の場所を下って、500m付近で別の尾根に乗らなくてはならないところだ。ミスれば湖面に出て途方に暮れることになるだろう。今回はほぼドンピシャで入渓点に戻ることができた。
ふたたびカヤックとSUPでダムを横断。いや~面白い沢だった。
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