※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
白馬・五竜岳GV稜&GII稜
2012年4月29日

五竜岳は東面のシラタケ沢側に急峻な尾根を何本も落とし、積雪期には魅力的な登攀のルートを作り出している。
このGW、その中でも代表的な2本、GV稜、およびGII稜に、遠見尾根にベースを張ってトライしてきた。
(レポート:相川 写真:相川、木下)
<4/28 1日目:アプローチ>
初日はアプローチのみ。遠見尾根をのんびりと歩いて、西遠見のベースキャンプへ。五竜岳から鹿島槍ヶ岳にかけてのパノラマが見事なルートだ。雪はかなりユルく、気温が上がってくると時折雪崩の音が響いてくる。
<4/29 2日目:五竜岳GV稜>
朝3:00過ぎに行動開始、まずはGV稜にトライだ。
GV稜は、五竜東面の尾根の中では、最も難しい一本。昨日遠望した感じでは、途中ジャンクションピーク付近のキノコ雪群の処理、および詰めの雪が切れている部分の岩壁が厳しそうだ。取り付きのルンゼも、雪がつながっていないと難しくなるか。
写真はGV稜全景
傾斜の緩いところを拾って、まずはシラタケ沢に下降。
デブリを横切り、C沢を詰め上がる。雪崩危険地帯は、気温の低い位置にさっさと抜けてしまいたい。雪のしまったラビーネンツークを選んでさっさと駆け抜ける
GV稜に上がるルンゼを登り、キノコ雪の引っかかったコルまではノーロープ。コルの右手の立ち木にビレイ点を作って登攀開始だ。時間は5時
すでに雪は緩んでグサグサ。ルンゼ上部で雪が切れ、数メートルの草付きが悪い。草付きの上の灌木でビレイ。このピッチ、セカンドをビレイ中に雪崩の音が響き、隣のルンゼが雪崩れてビレイ点を通過していった。後10分遅かったら、雪崩をくらっていたかも。
2ピッチ目は急な雪壁登り。斜度が緩んでくると、稜線だ。 しばらくは容易な雪稜をコンテで進む
やがて、第一の核心、ジャンクションピークに続くキノコ雪群につきあたる。
正面の岩壁は登れそうにないので、左手の急な雪壁をルートに選ぶ。雪が緩んできて、一歩ごとに崩れる雪をごまかしながらの登攀になる。
キノコ雪群の間を、コンテ交じりのスタカットで抜けていく。
やがて、ジャンクションピークのてっぺんの巨大キノコ雪につきあたる。これを登るのは厳しい。右を巻くか、左を巻くか…
右のほうが、容易そうに見えるが、今にも落っこちてきそうなキノコ雪群の下をくぐっていくのが気持ち悪い。まず、左に降りて見よう。残置ハーケンをスリングで連結し、左に懸垂するが、このルートは外れ。キノコ雪を越えたルンゼは完全に切れていてとても登れそうになかった。仕方がないので、グサグサの雪壁を登り返し、右のルンゼ側を巻くことにする。ここで、一時間近くロスしてしまった。
右側をワンピッチ、25m下降し、正面のルンゼを登り返す。技術的には容易だが、キノコ雪に囲まれたルンゼは長居はしたくない場所だ。
最後の核心の岩壁。途中で雪が切れ、一見してどこが弱点なのか判然としない。「ワンピッチ登って、左にトラバースする」という記述を頼りに、まずは左上するルンゼを登る。ルンゼ上部の雪はグサグサを越えてスカスカ。何度もずり落ちそうになりつつ、ようやく灌木に手が届いた。
灌木の上は完全に雪が切れ、岩登りだ。そして一歩上がった地点に、残置ハーケン。…と残置スリングにカラビナ。
どう見ても、撤退した跡だ。途中に弱点があったか、と少し降りて偵察してみたものの、正面のルートがやはり一番可能性があるように見える。意を決して、すっぽぬけそうなチョックストーンをこわごわと押さえて、上がっていく。一段上の岩棚をトラバースして、何とかしっかりとした灌木に手が届いた。
最終ピッチ、急な藪を漕いで、後立の縦走路に飛び出す。なかなか充実の登攀であった。
下山の途中、五竜岳の山頂を踏み、16時にテントに帰着した。
その夜は、ぶなの会の宴会テントに招かれ、やまねくらぶのメンバーを交えての大宴会。ぶなのメンバーは本日GII稜。やまねくらぶのメンバーは、翌日2パーティがGII稜に行くという。賑やかな登攀になりそうだ。
<4/30 3日目:五竜岳GII中央稜>
GII稜は武田菱の頂点に突き上げるすっきりとした稜。やや、雪が少なく、藪やガレが出ていることが遠望されたが、技術的にはそう難しいところはなさそうだ。
スタートは朝3時半。昨日と同様、シラタケ沢に下降し、GII中央稜に突き上げるルンゼを目指す。
登る予定のルンゼは、入口がぱっくりと割れており、出だしの2mほど、フリークライミングが必要だ。むしろ、ここが核心か。
やまねくらぶのベテランメンバーがまず登って行き。若手の3人パーティが登った後で、のんびりと取り付く。
出だしのフリーは、見た目ほどは悪くなかった、その上のルンゼは快適。
ルンゼ上部は藪こぎ。計ピッチの登りで稜線に出る。
そこから先は雪と藪のミックス。コンテでガンガン登る。
やがて、雪も藪も切れ、ただのガレの登りになった。
雨まで降りだし、しんどい区間。
上部は残雪を拾いながらの登りとなる。最後に武田菱の間を抜けるルンゼを横切る。そのうち滑りに来ることもあるかと、しっかり観察しておく。
そこから、一般ルートまではひと登り。登る僕らを、ライチョウが悠々と観察していた。
順番待ち等でだいぶ時間はロスしたため、終了点到着は11:30。頂上付近は、雪が舞っていた。
五竜岳山荘でのんびり休憩したのち、テレキャビンの営業時間を考えて足早に下山。ベースキャンプ到着14:00。
遠見尾根の帰路、カクネ里と鹿島槍の北壁が良く見える。そのうち、登りに来たい場所だ。
スキー場には15:30に到着した。