※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
瀬田川&保津川リバーSUP
2011年5月21日








豊富な流量を誇る瀬田川をショート区間と、梅雨のハシリで増水した保津川を2日間に渡ってリバーSUPを満喫した。(レポート・写真:三宅)
 
  初日の瀬田川は、琵琶湖の南端から有名な瀬田の唐橋を過ぎて、天ケ瀬ダムを経て宇治川ら淀川へと繋がる水の大動脈の入口である。
洗堰から立木観音までの区間は、年中通して豊富な流量があり、カヤックのスラロームやフリースタイルを楽しむパドラーなどに親しまれている。
カヤックでは何度も訪れているが、今回はここでの初SUPダウンリバーである。

当日の瀬田洗堰の放流量50tは、カヤックで下るには大味であるが、却ってSUPには障害になる岩や落差が軽減されて好ましい。
序盤はさらさらと低い波の瀬を2つほどクリア。しかし、「エデン」下までやって来ると流れは早くなり、波も高い。進路を誤って少しでも落差のある方や、波のバックウォッシュのあるところにボードを突っ込んでしまうと立っている人間は容易に振り落とされる。落差にバランスを崩すもなんとか堪えたところで次のウエーブにぶつかって敢え無くスイムしてしまう。

蛙岩近くの通称50tウエーブはなかなかいい感じに立ちあがっており、同行のカヤッカーはサーフィンプレイに興じる。SUPでもリバーサーフィンにトライする。そのたびに流されて担ぎ上がって戻ってこなければならなかったが何度か挑戦してみた。

この後も2度ほどスイムさせらたあと、ゴール地点の鹿飛の瀬の落ち込みに果敢にトライ。着地で跳ね返ったボードで顔面を打ってまたスイムしてしまった。
 
  翌日の保津川は、古くから丹波-京都を結ぶ水運のルートとして利用され、現在では観光舟下りとして京都を訪れる観光客にはなじみのコース。1年を通じて安定した水量が得られる事からカヤックやラフトでも関西の主要ゲレンデとしても名高い。
今回はSUPがほぼ初乗りというスタッフ板倉と同行である。先ずは静水で基本ストロークをみっちりマスターすることが必須であるが、初めから目的が瀬を下る「リバーSUP」であるので、流れを読んで利用することや流れを受けてボードのリーン(傾き)を変えるなど、川の力学を理解した上で思ったところにボードを進めるには川ならではのスキルが必要である。そのための練習場所としては静水練習ができる大きな瀞場と、エディを左右に持ったまっすぐな流れがあればよく、そこでストリームイン/アウトの反復練習ができるのが望ましい。さすがに沢登りで日頃から身をもって川の流れを泳いで体感しているせいか、初SUPの板倉は反復練習をしているうちにめきめき上達していく。
1時間もやっているうちに、流水でストリームイン/アウト、フェリーグライドも一通りこなせるようになってきた。
 
  そうなるとこの場所を選んだ利点が生きてくる。ここからそのまま川下りに行ってしまっても電車で帰ってこられるのである。
しかし、初めてのSUPにいきなり保津川ダウンリバーは相当な試練だし、水位が上がって観光船下りもいつの間にやらストップしているようなのでどうしようかと迷っていると、既に1時間も反復練習やって退屈そうな顔の板倉と目が合う。
きつい瀬では膝立ちでいればほとんど転覆することは無いし、多少泳ぐ事があってもライジャケ・ヘルメットにプロテクターの完全装備だし、流水のスイムにも慣れている板倉ならチャレンジだが行くことができるか?川沿いにエスケープルートも確保できているので最悪の場合はリタイアも可能である。意を決してダウンリバー開始だ。
昨夜からの豪雨で川の色は茶色に濁り勢いを増した流れは、ボードをすごいスピードで下流へ運んでいく。
保津峡駅の直下からボイルや強力なエディに翻弄されて、立っていられる時間が短くなってしまう。SUPはボードに対して足を固定していないだけに、ちょっとブレーキがかかるようなウエーブなどにぶつかると立っている人間は飛ばされてしまう。濁りのせいで深さが分からず、本流から外れてしまったり、岩に乗り上げてフィンを引っかけたりするから気が抜けない。
ほとんどの瀬では、三角波の衝撃を凌ぐため膝立ちでやり過ごせばなんとかなる。強力なエディラインやボイルに翻弄されるものの、遊船の通過を前提としたこの川は、比較的ライン取りが容易で、その上ある程度増水して水深がある今回のようなコンディションのほうがSUPには容易なのかもしれない。
結果的にはほとんどの瀬を膝立ちで、それでも何度か泳がされもしたが、増水の立っていられない煮えたぎった水面をあっという間に下りきってしまい、渡月橋の堰堤の長い瀞場に出た時はほっと胸をなでおろしたものだった。

渡月橋前のボート乗り場でゴールすると、インフレータブル式の利点を生かして畳んでパッキングし、500mほど離れた嵯峨嵐山駅まで歩いて、電車でスタート地点の保津峡まで回送する。

今回はSUPの限界と可能性を同時に見たようなダウンリバーだった。
 
  【当日のデータ】
[瀬田川]
水量:洗堰放流50t
プットイン:岡の平
テイクアウト:鹿飛橋下流
所要時間:1H
距離:約1.5km
ボート:SUP
グレード:3級
[保津川ロアー]
水量:保津峡0.82m
プットイン:JR保津峡下ビキニの瀬
テイクアウト:渡月橋
所要時間:2H
距離:約4km
ボート:SUP
グレード:3級