※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
大峰 アイスクライミング(グランドイリュージョン、閻魔大王)
2011年1月29日

  限られた短い期間だが関西でもアイスクライミングを楽しめる場所がある。その1つが大峰山系大普賢岳北面の氷瀑、氷柱群だ。
今回はその中の代表的エリア、地獄谷右俣のシェークスピア氷柱群を起点に左俣の奥にある100m程の大氷柱瀑グランドイリュージョンを登りに行った。すると、シェークスピア氷柱群の上部にある標高差300m程の大氷柱瀑、閻魔大王が数年ぶりに繋がっているのが見えた。本当に繋がっているかどうかは、基部まで行って確認するしかないが、あわよくばと期待を胸に取付きへ向かった。(レポート:小谷部、写真:小谷部、相川、村上)
シェークスヒア氷柱群の基部で毎週来ているという人に閻魔大王の状態を聞くと、先週は繋がっていなかったのだが今週つながったとの事。まずはシェークスピア氷柱群の広場左側のハムレットを登り、上部のルンゼをラッセルで横断。閻魔大王の状態確認へ向かう。  
  隣のルンゼに移ると、閻魔大王の氷柱がしっかり繋がっているのを確認。登れそうなので明日取りつくことにして基部までラッセルで道を作る。
偵察から戻り、ハムレット基部から左へ斜面を横断し尾根を越え隣の左俣を見下ろすと、右手に氷瀑が見える。この氷瀑がグランドイリュージョン入口だが、トレースは薄く激しいラッセルで氷瀑基部へ向かう。見た目たいしたことなさそうだったのでノーザイルでいけるかと思ったが、念のためロープを出す。すると隠れている部分が意外と長く一部傾斜のきつい個所もあり、フリーだとちょっと怖かったかも。  
  滝の上に出ると、視界が開けその奥に巨大な氷瀑が見えた。グランドイリュージョンだ。普段なら迫力満点で感動もののはずが、これよりスケールの大きい閻魔大王を間近に見てしまった後なので感動も半減。もったいない事をした。
近づくと、氷柱の大きさを実感。1P目が核心なので、じゃんけんで勝った方が1P目を登ることにし、見事勝利。小谷部、村上の順で登る。  
  氷柱は左側の凹角から登り始めるが、つららの集合体で傾斜もきつく凹角内は少しハング気味で登りにくい。
  誰かが登った痕跡を拾いながら凹角を少し登り、凹角外に足を出せるようになるとだいぶ登りやすくなる。凹角のどん詰まりは若干ハングしているので、左へかわし上部へ抜けた。
氷柱を抜け落氷を避けれそうな窪みでピッチを切る。その脇、2P目を登り終えたところで終了。核心を登ったし、閻魔大王の偵察で時間も遅くなったので、暗くなる前に車まで戻ろうと上まで抜けずにアバラコフで支点を作り懸垂で降りる。  
  翌日、昨日同様ハムレットを登り閻魔大王へ向かうと何か違う。なんと3段目左の大きなつららが根元から折れて無くなっていた。登攀中に氷が崩れないかちょっと心配。
振り返ると、冷蔵庫大の巨大な氷がルンゼに横たわっていた。折れた巨大つららの残骸だろう。もし昨日取付いていたら、この氷に飛ばされていたかもしれない。  
  今日も小谷部、村上の順で登る。1P目下部はしっかり氷結していたが、中間部から上は全体的に氷結が悪くグサグサ。アックスが決まり難く悪い。核心の氷柱裏でピッチを切る。
核心の2P目。つららの集合体で、落氷が多く登りにくいうえ、上部はつららが張出し3段のハングとなっている。しかも、それぞれのハングの上は氷結が悪くグサグサ。アックスが決まらず足場のつららも次々に砕け落ち登りにくい。  
  フォローで登り始めると、ビレーで使用している氷柱の根元でドスンと嫌な音が聞こえたとのこと。念のためテンションは絶対かけないでほしいと言われる。この足場無し、氷結グサグサの最悪ハングを前によけいなプレッシャーがかかる。
3P目の氷柱自体はしっかりしているが、ここまで全体的に氷結状態は悪く、先ほどの音の件もあるので撤退することにしてアバラコフを作る。せっかくつながった氷柱だが来週にはおそらく崩れているだろう。  
  1P、2Pまとめて懸垂1回で取付きまで戻る。2日間とも下部だけの登りだったが、共に核心は登ったので、充実したクライミングを楽しめた。