※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
北陸 宮川(神通川)ビッグウォーターダウンリバー
2010年4月4日

今年の宮川、初回はいままで体験したことのないハイウォーター。クラス5+のビッグウォーターをコース半ばで断念。そしてリベンジを期して訪れた2回目は、岩が表われて険悪になったクラス4+、緊迫のダウンリバーであった。
(レポート、写真:三宅)
 
  岐阜県内で宮川と称する神通川は、飛騨高山の川上岳を源流にして富山県に入って高原川と交わり富山湾に注ぐ一級河川である。
雪解けシーズンになると、本流や多くの支流は水量と勾配に富む絶好のフィールドとなるため、中部・関西圏からコアなエキストリームカヤッカーが訪れる。
2月28日、今年1回目の宮川は、雪解けのピークと大雨が重なって同行のメンバーも経験したことのないハイウォーター。
スタート直後の川幅が広く、全体的に浅い区間でも、流れている水量と流速が膨大なものであることがわかる。
巨大なスタンディングウエーブが連読して現れる。カヤッカーは、あっという間に迫ってくる水の壁に一気に上に突き上げられる。先行するパドラーの姿は波の谷間に姿を消してしまう。
やがて流れは谷の中に分け入り、蛇行しながら高度を下げ、次々と瀬を生み出す。瀬を構成している岩の多くが水を被り、川面を荒立て、パドラーを陥れる罠となっている。見通しは利かず、ルートファインディングは困難。
 
  ウエーブの後ろに隠れた巨大ポワオーバーは警戒すべき存在である。見通しのきくルートをできるだけ選んで回避するが、突然それと真正面に対峙してしまうことがある。そのときはバックウォッシュの少しでも弱いところにバウを向けて、ただ突き抜けるのみである。
道路から見下ろした印象よりも、実際に降ってみた瀬は数倍大きい。今回は雪解け+雨の濁流という水が重たくなる要素が揃い、艇が流れの勢いに押され思ったようなラインが取れず、パドルのストロークもあまり効かずに普段のような操作ができずに戸惑う。
「ロングの瀬」を漕ぎ抜けたところで、この後の進退を決定、ここでリタイヤと判断。
万が一スイムせざるを得なくなった場合を考えると、重く冷たい水と激しい瀬の中を泳ぎ抜くことは困難。死の危険が伴う。
しかし、6人のメンバーのうち3人はこのままゴールまで無事漕ぎ抜いた。
リタイヤという残念な結果にほろ苦さの残る1日ではあったが、印象に残るダウンリバーであった。

【当日のデータ】
水量:大沢大橋2.86-2.83m
距離:約4km
ボート:クリーク艇
グレード:5級
所要:2時間
プットイン:宮川町桑野
テイクアウト:飛越トンネル下流部左岸
 
  今年2回目の宮川は、山の桜も咲き始めた4月4日。狙っていた水位より少し少なめだが、降ってみればかなりハードなダウンリバー。
前日の激しい小坂川を経験したこともあり、舐めてかかっていたのだが、川に入るとムードは一変、今回の水位は、ちょうど川床の岩の影響をモロに水面に表し、複雑で険悪な瀬となっている。
ロングの瀬はスカウティングしてクリア。
鉄橋の瀬で、岩をかわしきれず乗り上げたパドラーがその脇のポワオーバーで捉まって沈脱。
冷たい水の長い瀬をスイマーを励ましながら並漕する。
なんとかスイマーがエディと捉えたのを確認して、すかさずパドルとボートを追う。二次災害を考え、深追いは禁物だが、躊躇すれがどんどん下流へ流れていき回収不能となってしまう。浮き沈みするパドルとカヤックから目を離さずなんとか回収に成功した。
 
  そして前回のリタイヤ地点をすぎ、中盤以降へ。
毎年ここを訪れ、頼れる同行メンバーのリードとスカウティングにより、
ベストなラインを掴んで、瀬のパートをひとつひとつクリアしてゆく。尋常ではない落差に瀬を降ってから振り返れば驚かされることもしばしば、流速が早くパワーのある瀬は、自分がイメージしているようなラインをなかなか描かせてもらえない。自制して、先行者のラインをトレースすることに徹する。
この後も続いた名だたる大きな瀬をすべてクリアし、沈脱者もなく全員無事に下り終え前回の雪辱を果たすことができた。

【当日のデータ】
水位:大沢野大橋2.28-2.25m、古川大橋0.51-0.46m
距離:約9km
ボート:クリーク艇
グレード:4級+
所要:2。5時間
プットイン:宮川町桑野
テイクアウト:高原川合流