※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
南紀 アッパーナラヨシダウンリバー
2009年10月11日

大台ケ原を源流とする吉野川は、言わずと知れた関西のカヤックのメッカであり、季節・水量を問わずパドラー達で賑わう。
しかしあまり知られていないが、上流や高見川などの支流は、増水時にエキスパートのみが訪れる格好のエキストリームカヤッキングのフィールドである。(レポート:三宅、写真:三宅、谷津)
 
大迫ダムと大滝ダムの間の通称アッパーナラヨシと呼ばれるこの区間は、V字谷を大きく蛇行する流れと、間近に美しい山容の白屋岳と川沿いの旧道の遺構を横目に見る変化に富んだ眺望で、まるで大河を下るような印象のコースである。  
  大迫ダム下のプットインからすぐに瀬が始まる。
それに続く2つの小さな瀬を越えて、不動窟が左岸に見えるとそこが核心部、ホラあなの瀬である。
水量によるが、両岸の崖の岩盤は柔らかく、水流によって、アンダーカットやハーフドーム状に削られている。
自然の造形美を満喫したいところであるが、パドラーには危険な場所が多い。
ここを下るときはいつも、同行者に岩壁に絶対近づかないようにパドリングするよう注意を促すことにしている。
 
  ホラあなの瀬は、上段・中段・下段に分ければ非常に理解しやすい。
上段は三角波が立っているものの、素直にまっすぐ真中のルートである。
中段は、流れが左岸の岩盤にぶつかって右へカーブする。ここで左寄りのコースをとると、左岸のピローウエーブにぶつかって艇が非常に不安定になる。
ここで体勢を崩してしまうと、この下のボイルで翻弄され、さらにそのままその下の下段に入ると危険である。
再び流れは下段で右へカーブする。ゆるいカーブであるが故に、左岸終点に待ち構えるアンダーカットの壁に押しやられると危険である。
 
その下は少しの間、切り立った崖に挟まれた深いゴルジュ帯の瀞場となる。  
  ときおり流れ込む支流はガラスのように透き通ったターコイズ色で、本流の濁った茶との合わせ目の色のコントラストは鮮烈である。
特に中奥川の合流地点は水によって不思議な造形に削り上げられた奇岩が見られる。
  視界が広がってくると、再び断続的に2-3級程度の瀬が現れる。
コンクリートの護岸と、旧国道の遺構が続く人工物の非常に多いが、大きく深いV字谷を幾たびも蛇行する景色は非常にダイナミックである。
中奥川の合流を過ぎてしばらく進むと、行く手の水面がまっすぐの水平線となっているところに来る。両岸に沈下橋の痕跡があるのが確認できるだろう。
ここは、川幅一杯に傾斜があり、いくつかのポワオーバーを含んだ落ち込みとなっている。コンクリートが入っていて、流れは集まってパワーがある、ホラあなに並ぶ大きな瀬である。この瀬の最後には、増水時に中奥ウエーブと呼ばれるスポットが出現する。この日はホールとなっており、フリースタイルプレイにこの日一番のスポットとなっていた。
 
  引き続き、川は蛇行しながら流れ、いくつもの断続的な瀬を経てゴールとなる。
【当日のデータ】
プットイン:大迫ダム下
テイクアウト:井戸バス停横スロープ
水量:大滝ダム流入:36.5-35.4t、五條::1.73m
距離:約8km
ボート:プレイボート
グレード:3.5級
所要:3.5時間