※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
南紀 高見川ダウンリバー
2009年10月10日

吉野川の支流の高見川は、三重県と奈良県の県境を形成する台高山脈の中で、鋭く美しい山容を誇示する高見山を源流する。
高見川は、中級以上のパドラーに増水時の楽しみを提供してくれるフレンドリーなコースであるが、丹生川上神社より上流のアッパーセクションは、クラス4に対応する装備とスキル、経験豊富なメンバーが必須のクリークボーティングのゲレンデである。今回は、台風18号がもたらした大雨によって、程よく増水した奈良吉野川の支流、上流のアッパーセクションをダウンリバーした。(レポート、写真:三宅)
 
  プットインはもっと上流から取ることも可能だが、今回はアクセスし易く、水深がある程度でてくる国道166から県道221に入る地点からとした。キャンプ場から水面に降りるのが非常に楽であるが、私有地なので避けたい。すぐに瀬が始まって、どんどん川が狭くなってくる。
増水といってもクリークなので、流れが分散しているところでは水深はあまり無い。やや濁りを帯びた水によって、水面下の隠れ岩を見逃しがちで、カヤックのボトムをガツガツ当ててしまう。艇と腰を労わる為にも、水面をよく観察してしっかりルートファインディングを行いたい。ドロップの中で隠れ岩にぶつかってラインを狂わされたり、ひっくり返されたら最悪だ。こういう川では、本来ならショートサイズのクリークボートを選択するのが無難だが、この日は力量の高いグループで、何度も訪れている川なのでプレイボートでの腕試しである。  
  ライン取りが難しい落差があるクラス4の瀬はコース前半に集中している。スタートから徐々に落ち込みは落差を増してゆく。
  スタートから2~3kmの核心部に落差5m、長さ30mほどの大きなスライダー状の落ち込みがある。ここはスライダー状といっても隠れ岩がいくつも入って水面は荒れており、コースが悪いと容易にフリップさせられてしまう。
その1つ下の瀬、ここへきてメンバーの一人がブローチングした。クリーク経験が浅く、周りが見えないくらい緊張しているのがありありとわかり、危ういなと思った矢先である。
横向きのままボトムから岩に押し付けられる。このまま水流に負け、力尽きてしまうと水に沈んでしまい、最悪は呼吸が出来なくなる。
しかし、グループの錬殿は高く対応は早い。ホイッスルを鳴らして後続を止める。後続のメンバーが、ブローチングしたカヤックを押さえる。急いで岸に取り付き、岩飛びに本人の元にたどり着き、脇を抱え上げ岩から引き剥がして、レスキュー完了となった。
 
  後半は、比較的単純なラインのクラス3の瀬が、軽快な間をおいて続く。ここまで下ったメンバーはリラックスしてテンポ良く進んでゆく。
クリークボーティングでは、他のパーティに出会うことは非常に稀である。しかしこの日は、我々以外に2つのパーティと遭遇した。関西の定番クリークであることと、他の川の水量との兼ね合いによって、クリークとして狙える川が限られていたためであろう。
この後、ベスト水位にまで減少した天理教ウエーブで、みっちりとビッグウエーブライディングを満喫し、日暮れまで遊びつくした。
【当日のデータ】
プットイン:国道166・県道221交差地点
テイクアウト: 四郷川合流より約700m上流
水量:高見0.95-0.93m
距離:約6km
ボート:プレイボート or クリーク艇
グレード:4級
所要:2時間