※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
九州・宮崎 大崩山 祝子川 沢登り
2009年7月20日

  由布川渓谷のゴルジュを「陰」とするならば、祝子川はまさに「陽」のゴルジュと言っていいだろう。
連休最終日、明るく開放的な花崗岩のゴルジュ迷路、祝子川を楽しんだ。
(レポート:相川、写真:相川、橋本)
上祝子大崩山登山口を7:00に出発。大崩山は人気の山のようで、登山口では多くの登山者が準備をしているところであった。沢を目指しているのは我々パーティのみのようだ。
天候は下り坂だが、何とか本格的に崩れる前に抜けられるだろうか。
 
  1時間弱登山道をたどり、簡単に谷に下りれる湧塚分岐というところから入渓したが、もっと先の喜平越谷から入渓するのが一般的で、核心部分のみを楽しむことができるようだ。
序盤は巨岩ののっこしに終始する。  
  時折、大きな釜を持った滝が現れるようになる。2日間、由布川の水を泳いできた我々は、喜々として美しい釜に飛び込み、滝を攀じ登って行く。
澄んだ水に、花崗岩の明るい渓相のこの川は、青空がよく似合うだろう。曇天なのが残念である。
この大釜を持った4m滝。とりつこうとすると、滝左手に大きなスズメバチの巣があることに気づいた。要注意だ。  
  遡行開始から1時間半ほど。左手に大きな岩を見るあたりから、大岩の積み重なったような渓相から花崗岩の一枚岩を削り込んだような、渓相へ変わってくる。
やがて、芸術的な造形のミニゴルジュの始まりだ。難しくはなく、楽しく突破できる。
 
ミニゴルジュを抜けると、一枚岩の見事なナメが続いている。   両岸は次第にスラブ状に立ち上がり始める。いよいよゴルジュの始まりか。
細いトユ状の水路を抜け、大岩の左手の狭い隙間をショルダーで越えると、前方に大釜を持った5m滝が待っていた。両岸ともツルツルで、かなり戻るか、人工手段を使わないと越えられそうにない。このあたりから、残念ながら雨が降り出した。  
  少し手前右岸側のスラブの残置ボルトを使い、3ポイントの人工から左手の灌木帯にフリーでつなぎ、滝を巻く。
懸垂で降り立った先は、素晴らしいV字状に刻まれた花崗岩大ゴルジュだ。高さ100m以上にわたって、両岸切り立っているのだが、白い花崗岩の色と、上方が開けた形状によるものか、悪天候にもかかわらず、実に明るい雰囲気。
同じ「ゴルジュ」でも、ここまで違うものか。
もっとも、そう簡単に通過を許してくれないのは、前方に折り重なる3段の巨大チョックストーンが教えてくれる。右側は、ハングして登れそうになく、左の滝も正面突破は難しい。となれば上か。
右手の倒木を使って、1つ目の岩に一人を押し上げ、後続はロープで確保。3段目はショルダーを使ったが、全部まとめて越えることができた。
 
  ゴルジュはさらに狭まっていく。小滝を一つ越えると、その先の長淵の末端でゴルジュは極端に圧縮され、瀑流となって流れが噴き出していた。祝子川名物の「30cmゴルジュ」に違いない
淵を泳いで人間ブリッジで水面に上がる。水面近くはかなりぬめっており、思い切ってやや高い所に上がり、そのままトラバース。ステミング、バックアンドフットと移行して突破した。そのまま後続をロープで引っ張り上げる。  
  その先はゴルジュが3次元の迷路のようになっている。チョックストーンをくぐりぬけ、右手のわずかなレッジをホフク前進のように進む。最後は倒木を抱えるようにして突破。
両岸の高さは次第に低くなり、ゴルジュの終わりが近いことをうかがわせる。再び淵を泳ぎ、ショルダーで小滝を越える。この谷は、ショルダーが非常に有効で、奮闘的な登りを強いられるが、技術的には極端に難しいところはなかった。  
  その先の岩間6m滝を右手の大岩のショルダーで上がってやり過ごす。最後のぬめる斜瀑を慎重に登ると、今までのゴルジュがうそのような穏やかな渓相に戻った。
名残を惜しむように水路状の長淵を泳ぐ。  
  ゴルジュが終わり、右手から合流する沢を詰めると、登山道はすぐであった。強まる雨足の中、満足感に包まれながら、登山口へ向かった。この道、ゴルジュの大スラブのすぐ上を通っており、登山道としてはなかなかスリリングで、ゴルジュの全貌も覗き見ることができる。

祝子川温泉で、3日間のゴルジュ突破の疲れた体を少し休め、12時間のドライブで神戸へ。