※BC(バックカントリー)で遊ぶには十分な装備、知識、経験が必要です。安全に注意し、レベルに合ったフィールドで楽しみましょう。
扇ノ山 小又谷 沢登り
2009年6月6日

  扇ノ山は兵庫県と鳥取県の県境に位置し、山頂部が高原状の穏やかな山容で知られる。しかし、その北面に切れ込む小又谷は、その穏やかな山容からは想像もつかない険谷だ。
今回、関西のアルパインクライミング繋がりの仲間で小又谷を訪れることになった。上山高原の快適な避難小屋での山の幸宴会と合わせて楽しんでしまおうという企画である。
(レポート:相川、写真:相川、橋本、坂口)
前泊宴会場となったのは、上山高原の避難小屋。営業小屋かと見まがうばかりの快適な小屋だ。クライミング談話に花が咲く。  
  小又谷は下部にシワガラの滝という登攀困難な滝がある。この滝までは、遊歩道がついた観光地でもあるので、側壁を懸垂で滝上に降り立ち、そこから遡行する計画だ。
側壁のスケールはなかなかのものだ。30mロープのダブルで4、5ピッチ降りて、ようやく川床に降り立つことができた。が、先を見るとなにやら洞窟状の迫力のある空間が…
何のことはない、シワガラの滝であった。これには一同大笑い。尾根1つ分ほど手前を降りてしまったようだ。気を取り直して上り返し、再び懸垂を繰り返してようやく井戸の底のような谷底に降り立つ。  
  次々と現れる淵と滝は、どれもなかなか登り応えがあり面白い。
今回のメンバーは、相当登れる実力者ばかり。
面白いラインを見つけてはさながらボルダリングセッションの様相だ。
 
長淵の奥の滝は、人間ブリッジで滝に接近し、微妙なホールドを利用してバランスで左岸に移り越える。  
  背の低いメンバーには厳しく、淵をロープで引っ張り上げる。このような場面ですばやく取り出し投げることができるゴージュバッグは非常に便利だ。
この谷、左右の壁がほとんど切れ目なく切り立ち、滝の高巻も困難で一度入ったらほとんど逃げ場がない。足を滑らせたのであろう一頭シカが、白骨となって横たわっていた。  
  谷の厳しさにもかかわらず、あまり陰鬱さを感じさせないのは壁がびっしり緑で覆われているせいだろうか。
美しい緑の回廊の中を行く。大山の甲川に良く似た雰囲気だ。  
  この7m滝が核心か。滑りやすい非常にいやらしい登りだが、Mさんが見事にオールフリーで登り切る。
登り出しが遅れたため、そろそろ時間切れに。右岸に何とか登れそうなラインを見つけて側壁を這い上がった。

厳しくも美しい谷に楽しい宴会、そして一線で活躍する本チャンクライマーの底力を見ることができ、クライミングに対しての良いモチベーションをもらうことができた山行であった。